ネットプライバシーと「忘れられる権利」
2014年7月号
2014年5月、欧州司法裁判所は、あるスペイン人の名前を入力すると示される検索結果を削除するようにグーグルに命令した。こうして、(欧州司法裁判所は、「忘れられる権利」、例えば、かつての負債や不適切な写真といった特定の情報について、市民がグーグルを含むインターネット企業に対して公共空間からの削除を求める権利を尊重することを義務づけた。これによって、プライバシー保護を求めるヨーロッパの流れは今後さらに大きくなり、必然的に、「蓄積された膨大な個人データを利用して、広告や消費者行動分析に利用しているアメリカのeコマース企業のビジネスモデルそのものが問題視されるだろう。今後、ヨーロッパの主要市場で、米企業がこれまでのような行動をとることは次第に難しくなっていく。当然、米企業はヨーロッパの立場に歩み寄る必要があるし、今後、デジタル時代におけるプライバシー論争は二つの競合するビジョンによって規定されるようになるだろう。