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対ロ新冷戦とヨーロッパの漂流
―― オバマはなぜロシアの侵略を予見
できなかったか

アン・アップルボーム ワシントン・ポスト紙コラムニスト

Obama and EuropeMissed Signals, Renewed Commitments

Anne Applebaum アップルボームはイエール、ロンドンスクールオブエコノミクス、オックスフォードで学んだ後、1988年にエコノミストの記者としてワルシャワに赴任し、東欧革命をカバーした。現在、ワシントン・ポスト紙およびスレート誌でコラムニストを務めている。著書にピュリツアー賞を受賞した『グラーグ――ソ連集中収容所の歴史』(邦訳・白水社)がある。

2015年9月号 掲載論文

欧米はロシアに嘘をついてきた。NATOは今もロシアにとって脅威だ。・・・たとえ欧米がロシアの天然ガスに背を向けても、ロシアには東アジアに多くの潜在的顧客がいる」。すでに2009年の段階で、ロシアのラブロフ外相はこう語っていた。しかしオバマ政権は、「ヨーロッパは安全で退屈な場所で、真剣に議論すべき対象というより、記念写真に収まるサイト」としか考えていなかった。そしてウクライナ危機が起きた。それでも、オバマは危機を一貫してヨーロッパの地域問題と表現し、距離を置いた。いまやロシアの影響力が高まっているのは旧ソビエト地域だけではない。ロシアはヨーロッパの反EU・反NATO政党を資金面で支援し、ヨーロッパを内側から切り崩そうとしている。しかも、ヨーロッパはギリシャの債務問題とイギリスのEU離脱を問う国民投票、そして大規模な地中海難民の問題に翻弄されている。・・・

  • 大きな期待と失望
  • 2009年の三つの出来事
  • 危機の予兆
  • ロシアの軍事路線
  • 対ロ関係を変化させた二つの出来事
  • ヨーロッパの漂流とロシアの影響力拡大
  • 和解と反目のサイクル

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