Frederic Legrand - COMEO / Shutterstock.com

エルドアンの大胆なギャンブル
―― 二正面作戦の政治的余波を考える

ジャシュア・ウォーカーアンドリュー・ボーエン 米ジャーマン・マーシャルファンド シニアフェローセンター・フォー・ナショナルインタレスト中東研究ディレクター

Turkish President's big gamble

Joshua W. Walker 米ジャーマン・マーシャルファンド 環大西洋フェロー。前国務省シニア・アドバイザ―。Andrew J. Bowen センター・フォー・ナショナルインタレスト(国益研究センター)シニアフェロー、中東研究ディレクター。

2015年9月号 掲載論文

トルコ政府は、イスラム国の空爆に踏み切っただけでなく、イラクにいるPKK勢力を空爆する二正面作戦を展開している。さらにアメリカとの情報共有の拡大に応じ、米軍の国内基地の使用を認める一方で、シリア側国境地帯に安全地帯の設定を求めている。複雑なのは、米軍がイラクのクルド民兵組織「ペシュメルガ」、シリアのクルド民兵組織「人民防衛隊(YPG)」と協力関係にあり、しかも、YPGはトルコが空爆対象にしているPKKの関連勢力であることだ。トルコのPKK空爆によって、トルコ国内のクルド人勢力とトルコ政府との関係も微妙になる。しかも、YPGがイスラム国に対して軍事的に勝利を収め、国内ではPKK系の政党が最近の選挙で大きな躍進を遂げている。エルドアンの大胆な賭けが、国際的、そして国内政治面でどのような帰結を伴うのか、予断を許さない状況にある。

  • 賭に出たエルドアン
  • 積極策の理由
  • 二正面作戦の結果はどうなるか

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