2026.1.27 Tue
<2月号プレビュー>
民主主義対権威主義
―― トランプ政治の現実
いまや、トランプ政権の報復を恐れて、全米の大学、メディア、弁護士事務所、財団を含む多くの組織や個人が行動を見直し、自己規制することも多くなった。だが、勝負はまだついていない。今後のアメリカでの選挙は政策対立だけでなく、民主主義対権威主義というより根本的な選択を伴うものになるはずだ。(レヴィツキー、ウェイ、ジブラット)
非自由主義の権威主義国家が台頭を続ける一方で、民主主義国家は衰退している。2025年には45カ国が民主主義から離れて、独裁体制に移行し始めた。いまや完全な民主国家とみなせるのは、世界にわずか29カ国しか残されていないという見方もある。(チーズマン、ビアンキ、シール)
政治家、ビジネス、メディア、大学、市民団体も権威主義政権の大きな権限と圧力を恐れて、立場を見直して声を潜める。競争的権威主義の台頭は、アメリカだけでなく、世界の民主主義にとって重大で永続的な帰結をもたらすことになるだろう。(レヴィツキー、ウェイ)
トランプ政治の恐るべき現実
―― 米民主主義の復活はあり得るか
2026年2月号 スティーブン・レヴィツキー ハーバード大学教授(政治学) ルーカン・A・ウェイ トロント大学政治学部特別教授 ダニエル・ジブラット ハーバード大学教授(政治学)
政治的敵を標的にして、ルールや規制が選択的に利用されれば、法律は兵器と化す。いまや、トランプ政権の報復を恐れて、全米の大学、メディア、弁護士事務所、財団を含む多くの組織や個人が行動を見直し、自己規制することも多くなった。だが、勝負はまだついていない。今後のアメリカでの選挙は政策対立だけでなく、民主主義対権威主義というより根本的な選択を伴うものになるはずだ。民主主義を守るために裁判所にだけ頼るわけにもいかない。「王様はいらない」集会だけでは民主主義は復活しない。市民は(投票、法廷、社会という)三つの領域におけるすべての手段を通じて行動しなければならない。もはや流れは止められないと考え、権威主義の衝撃を過大評価して、宿命論に陥るべきではない。
追い込まれた民主主義
―― 非自由主義インターナショナルの台頭
2026年2月号 ニック・チーズマン バーミンガム大学 教授(民主主義) マティアス・ビアンキ アスントス・デル・スール ディレクター ジェニファー・シール トルクァト・ディ・テラ大学 准教授(政治学)
非自由主義の権威主義国家が台頭を続ける一方で、民主主義国家は衰退している。2025年には45カ国が民主主義から離れて、独裁体制に移行し始めた。いまや完全な民主国家とみなせるのは、世界にわずか29カ国しか残されていないという見方もある。非自由主義の指導者たちの共通項は、権力を個人に集中させ、抑制と均衡を弱体化させ、政治的操作のために偽情報を利用することだ。多元主義を空洞化させ、反対勢力を非合法化することで、政治的権利と市民的自由を後退させる。しかも、国境を越えた非自由主義なネットワークを形作っている。すでに、世界のパワーバランスは独裁体制にとって有利な方向へ傾きつつある。民主国家連合に流れを覆す方法はあるのか。
トランプと競争的権威主義の台頭
―― 米民主主義は崩壊するのか
2025年4月号 スティーブン・レヴィツキー ハーバード大学 政治学教授 ルーカン・A・ウェイ トロント大学 政治学部特別教授
アメリカの司法省、連邦捜査局、内国歳入庁(IRS)などの主要政府機関や規制当局をトランプの忠誠派が率いるようになれば、政府はこれらの政府組織を政治的な兵器として利用できるようになる。ライバルを捜査と起訴の対象にし、市民社会を取り込み、同盟勢力を訴追から守れるからだ。こうして競争的権威主義が台頭する。政党は選挙で競い合うが、政府の権力乱用によって野党に不利なシステムが形作られていく。政治家、ビジネス、メディア、大学、市民団体も権威主義政権の大きな権限と圧力を恐れて、立場を見直して声を潜める。競争的権威主義の台頭は、アメリカだけでなく、世界の民主主義にとって重大で永続的な帰結をもたらすことになるだろう。


