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2026.7.21 Tue
<8月号プレビュー>
米中は競争的共存へ?
―― 揺るがされる台湾の命運
米中は、デカップリングにも、新たな相互依存にも向かっていない。つまり両国間のダイナミクスは「競争的共存」ということになる。それには、米中がともに自制し、紛争を管理し、特に「台湾をめぐる戦略的安心感」を育むことが必要になる。(汪)
世界には、米中がともに繁栄する余地が十分に残されている。トランプ大統領と習近平国家主席の相性は悪くなく、生産的なつながりを形作れるかもしれない。トランプは、中国、ロシア、アメリカという主要国が互いの国益を尊重し、紛争を回避する世界秩序を広く模索しており、これは中国の立場とも重なり合う。(呉)
中国はトランプ政権の台湾政策を揺るがし、「アメリカが台湾をどう扱うべきか」についての新たな規範を確立しようとしている。アメリカの台湾へのコミットメントを弱めることで、台北を無力化し、自国の影響下に引き込もうとしている。(ハース、サックス)
米中関係の本質
―― 競争的共存の条件
2026年8月号 汪錚 シートン・ホール大学 教授(外交、国際関係学)
半導体であれ、レアアースであれ、米中双方は相手に対する手段、影響力をもっているが、どちらもそれを決定的には行使できない。これは、米中がグローバルな経済・技術システムから相手を完全には排除できない状況を共有していることを意味する。ともに相手を傷つけられるが、戦略的に無意味な存在に追いやることはできない。だからこそ米中は、デカップリングにも、新たな相互依存にも向かっていない。つまり両国間のダイナミクスは「競争的共存」ということになる。それには、米中がともに自制し、紛争を管理し、特に「台湾をめぐる戦略的安心感」を育むことが必要になる。
米中の大いなる取引を
―― 関係リセットの条件
2026年2月号 呉心伯 復旦大学 国際問題研究院 院長
世界には、米中がともに繁栄する余地が十分に残されている。トランプ大統領と習近平国家主席の相性は悪くなく、生産的なつながりを形作れるかもしれない。トランプは、中国、ロシア、アメリカという主要国が互いの国益を尊重し、紛争を回避する世界秩序を広く模索しており、これは中国の立場とも重なり合う。つまり、北京とワシントンの指導者は、現在の世界では、米中間の勢力均衡だけでなく、大国間協調(米中間の積極的な連携)が必要であることに同意している。米中の経済問題、台湾、朝鮮半島、日本、南シナ海問題をいかに管理し、国際システムをいかに改革していくか。これらで、米中関係の今後は左右されるだろう。
習とトランプの駆け引き
―― 揺るがされる台湾の命運
2026年8月号 リチャード・ハース 米外交問題評議会 名誉会長 デビッド・サックス 外交問題評議会 フェロー
中国はトランプ政権の台湾政策を揺るがし、「アメリカが台湾をどう扱うべきか」についての新たな規範を確立しようとしている。アメリカの台湾へのコミットメントを弱めることで、台北を無力化し、自国の影響下に引き込もうとしている。実際、アメリカが台湾へのコミットメントを弱めれば、台北の防衛への決意、地域同盟のネットワークも弱まり、中国に有利な状況が生まれる。これを回避するには、ワシントンは台湾支援の継続と抑止力の強化への意思を明確に示す必要がある。


