Steve Travelguide / Shutterstock.com
2026.1.30 Fri
体制変革と歴史の教訓
―― イラン、ベネズエラ、ガザ
少なくとも、政権打倒後の計画がなければ、壊滅的な事態に直面することは、歴史の教訓としてわかっている。だが、おそらくもっとも重要なのは、「対応を必要とする現象としての体制変革」と「特定の結末を得るための意図的な政策としての体制変革」をワシントンが区別することだ。(ハース)
トランプは今回の攻撃を民主主義ではなく、石油をめぐる問題として位置付けているようだが、これは重大な誤りだ。石油資源をアメリカに譲渡するように求めれば、ベネズエラ社会は(アメリカに)大きな敵意を抱くようになる。(ロドリゲス)
テヘランに外交を試みることもできるはずだ。テヘランとの関係を新たな軌道に乗せ、イランの外交・核政策と政治指導層内のパワーバランスの双方を変えるような新たな外交取引を模索すべきだろう。たとえ両国の歴史が失われた機会に満ちていようと、過去が必ずしも今後のプレリュードである必要はない。(ナスル)
体制変革と歴史の教訓
―― イラン、ベネズエラ、ガザ
2026年2月号 リチャード・ハース 外交問題評議会 名誉会長
アフガニスタン、イラク、リビアでの惨憺たる失敗から考えれば、ベネズエラやイランなど、ここにきて体制変革論が突然、復活していることには驚かされる。少なくとも、政権打倒後の計画がなければ、壊滅的な事態に直面することは、歴史の教訓としてわかっている。だが、おそらくもっとも重要なのは、「対応を必要とする現象としての体制変革」と「特定の結末を得るための意図的な政策としての体制変革」をワシントンが区別することだ。ベネズエラ、ガザ、そしておそらくはキューバへのアプローチを考える上で重要なのは、他国におけるトランスフォーマティブな変化を作り出すのではなく、出現した機会を前にそれに対応し、支援することに焦点を合わせることだ。
マドゥロ後のベネズエラ
―― 今後の展開を検証する
2026年2月号 フランシスコ・ロドリゲス デンバー大学 教授(経済学)
「ワシントンが国(ベネズエラ)を運営する」というトランプの発言は、おそらく、米企業を現地で活動させ、ベネズエラ石油の管理権を掌握することを意図していると考えられる。石油産業の支配権を掌握できなければ、大統領が後退するとは考えにくい。いずれにせよ、米企業がベネズエラの石油産業を、そこがアメリカの保護領であるかのように運営するというシナリオにたどり着くだろう。トランプは今回の攻撃を民主主義ではなく、石油をめぐる問題として位置付けているようだが、これは重大な誤りだ。石油資源をアメリカに譲渡するように求めれば、ベネズエラ社会は(アメリカに)大きな敵意を抱くようになる。
イランとアメリカ
―― 対立の歴史を終わらせるには
2025年11月号 バリ・ナスル ジョンズ・ホプキンズ大学高等国際関係大学院 教授(国際問題・中東研究)
12日間戦争は明らかにイランを弱体化させ、これまでのテヘランの戦略は、持続不可能な状態に陥った。この現状なら、ワシントンはイランを封じ込めたままにし、イスラエルに時折「草刈り」をさせることもできる。だが、テヘランに外交を試みることもできるはずだ。テヘランとの関係を新たな軌道に乗せ、イランの外交・核政策と政治指導層内のパワーバランスの双方を変えるような新たな外交取引を模索すべきだろう。たとえ両国の歴史が失われた機会に満ちていようと、過去が必ずしも今後のプレリュードである必要はない。両国はイランの核能力に関する緊急の合意をまとめるためだけでなく、信頼を築き、両国関係の新たな道筋を示すためにも、外交を受け入れる必要がある。


