紛争後のガザを誰が統治するのか
―― 外交への長い道のり(11/22)
2024年1月号

ハマスの軍事能力とガザの統治体制を破壊するという目標を達成できないだけでなく、イスラエルは、ガザを再占領し、家を失い、絶望し、憤慨するガザ住民を直接統治することにも行き詰まるだろう。イスラエルはハマスを粉砕した上で、ガザだけでなく、西岸、東エルサレムからパレスチナ人を追放して、再占領するつもりなのか。人気のないパレスチナ自治政府に紛争後のガザを委ねるのか。それとも、国連その他の人道支援機関が燃料、食料、水、医薬品などの基本的なアメニティーを提供し、ほとんどのガザ住民が避難生活を続けることになるのか。終わりのない暴力の連鎖から抜け出す道はあるはずだが、ハマスの粉砕を最優先課題としているために、イスラエルは、もっとも必要で価値あるもの、つまり、安全な環境、治安をいかに取り戻すかを見失っている。