米大学生への留学の薦め
―― 国際問題と外国への感性を高めるには
2016年4月号

アメリカ人には、外国に関する知識や理解がほぼ例外なく欠落している。しかも外交予算は削られ、メディアも国際報道を減らしている。いまや大統領選挙の論争においてさえ、外交問題について十分な情報に基づく議論を聞くことはない。このために、アメリカの価値を反映し、大衆も支持するような、冷静で一貫性のある外交政策の策定と実施が妨げられている。必要なのは、大学のカリキュラムの一環として外国に留学し、貴重な知見を得てアメリカに帰ってくる大学生を大幅に増やすことだ。アメリカの現在そして過去のリーダーの多くは、若くて感受性が強いときに、外国に留学し、外国でさまざまな活動に従事した経験を持っている。この事実は、企業、政府、科学、教育、非営利組織、芸術など分野を問わない。留学生の増加をアメリカの社会と外交政策の改善につなげていくには、留学プログラムへの参加者の数と多様性を大幅に拡大する必要がある。