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文明は衝突せず、融合している
―― 将来を悲観する必要はない

キショール・マブバニ シンガポール国立大学 リー・クアンユースクール学院長
ローレンス・サマーズ  ハーバード大学名誉学長

The Fusion of Civilization
―― The case for Global Optimism

Kishore Mahbubani
シンガポール国立大学リー・クアンユー・スクール(公共政策大学院)の学院長。最近の著書にThe Great Convergence: Asia, the West, and Logic of One World.がある。
Lawrensce H. Summers
ハーバード大学名誉総長で、同大学教授。1991―2001米財務長官、2009―2010年に米国家経済会議の議長を務めた。

2016年5月号掲載論文

昨今の欧米世界ではイスラム世界の混乱、中国の台頭、欧米の経済・政治システムの硬直化といった一連の課題に派生する悲観主義が蔓延している。とにかく欧米人の多くが自信を失ってしまっている。しかし、悲観主義に陥る理由はない。悪い出来事にばかり気を奪われるのではなく、世界で起きている良いことにもっと目を向けるべきだ。この数十年で非常に多くの人が貧困層から脱し、軍事紛争の数も低下している。とりわけ、世界の人々の期待が似通ったものになってきている。これは、グローバルな構造の見直しをめぐる革命ではなく、進化へと世界が向かっていることを意味する。現在のペシミズムの最大の危険は、悲嘆に暮れるがゆえに悲観せざる得ない未来を呼び込んでしまい、既存のグローバルシステムを再活性化しようと試みるのではなく、恐れに囚われ、欧米がこれまでのグローバルなエンゲージメントから手を引いてしまうことだ。

  • 悲嘆に暮れる理由はない
  • イスラム教と近代化
  • 中国という課題
  • 自信を喪失した欧米世界
  • 新しい秩序と文明の融合
  • プラグマティズムと合理主義の広がり

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