気候変動対策の不都合な真実
―― 破綻したアプローチを繰り返すな
2018年9月号
世界の気温上昇を摂氏2度以内に抑えるという目標にこだわるのは間違っている。ほとんどの国は2年前にパリで掲げた二酸化炭素排出量の削減目標を実現できる軌道にはないし、仮にこれらの目標が達成されても、21世紀末までに世界の気温は3度以上上昇しているはずだ。多くの環境保護派は完全に失敗した過去のやり方で現在の問題に対処しようとしている。うまくアプローチできていない目標にこだわるのではなく、再生可能エネルギー、原子力、そして有望な新しい二酸化炭素回収テクノロジーを導入し、二酸化炭素排出量の削減努力をさらに強化すれば、たとえ気温上昇を2度以下に抑えられなくても、気候変動リスクは大幅に緩和できる。特に、二酸化炭素除去テクノロジーや原子力発電をもっと重視し、ジオエンジニアリングの研究も推進する必要がある。
