
トランプ政権は、経済制裁の緩和や外交的承認を認める前に、平壌に非核化を受け入れさせ、北朝鮮の核開発プログラムの全貌を明らかにした上で、高度に踏み込んだ査察手続きを認めさせるのが好ましいと考えてきた。これが6月12日のサミットが中止された理由だったかもしれない。交渉に臨んでいれば、それは「壊滅的な失敗」に終わり、軍事的解決策が再浮上していたはずだ。一方で、少しばかりの妥協に多くの見返りを与えれば、合意をまとめるのは簡単になるとしても、その結末はいわば「壊滅的な成功」となる。中核的課題は、トランプ政権が北朝鮮へのアプローチを見直す準備ができているのか、「問題を解決するのではなく、安定化させるような戦略を模索するつもりかどうか」にある。