ベネズエラへ軍事介入すれば
―― 長く困難な任務となるのは避けられない
2019年5月号
ドナルド・トランプ米大統領はベネズエラに対する「あらゆる選択肢を排除しない」と語っている。これが真意なら、どのようなことになるだろうか。可能性が高いのは、米軍の侵攻後、ベネズエラ軍が短期間で降伏してマドゥロ体制は崩壊し、キューバとロシアの軍事関係者も撤収することだ。米軍のプレゼンスゆえに、軍の元兵士たち、準軍事組織、武装集団も地下へ潜る。しかし、アメリカはベネズエラの治安部隊の再建を主導せざるを得なくなり、米軍は長期的駐留を余儀なくされる。この場合、介入に伴う社会、経済、治安対策のコストがその恩恵をはるかに上回る。それが限定的な空爆であれ、全面的な地上軍の投入であれ、介入策をとれば、初期の戦闘が終了した後、ベネズエラを安定化させるための長く困難な作戦が必要になる。・・・
