何が経済を成長させるのか
―― 政治体制、地勢、資源
2012年11月号
経済を成長させる要因を政治体制だけに限定できるのか。悪い統治が経済成長を阻む要因の一つであることは確かだ。しかし、地政学的脅威、恵まれない地勢や気候、債務危機、文化的な障壁も経済成長を阻む足かせになる。貯蓄と投資を不可能にする貧困が貧困をさらに深刻にする部分もある。複雑な経済成長のメカニズムを政治体制だけでは説明できない。中国、シンガポール、台湾、ベトナムはすべて抑圧的政治から始めて、結果的に開放的経済制度を実現したが、いまも政治改革にたどり着いていない国もある。経済開発を理解するには、技術革新と拡散のグローバルプロセスの真の複雑さに目を向け、政治、地勢と立地、経済、文化が世界の技術の流れを形作る経路が無限大に存在することを認識する必要がある。経済成長は、気候変動問題や情報・コミュニケーション技術の進化など、今後ますます複雑な要因に左右されるようになる。政治というたった一つの変数で経済成長を説明するやり方では、ますます真実が分からなくなる。
