慎重なミャンマー投資を
―― 急成長の弊害に目を向けよ
2012年9月号
コカコーラ、GE、石油企業、天然ガス企業はすでにミャンマーへの進出に強い関心を示し、すでに2011年には、中国、香港、タイを中心とする諸国が、約200億ドル規模のミャンマー投資を行っている。大きな人口と豊かな資源、そして資本流入の増大によって、いまやミャンマーは、経済ルネッサンスに必要な環境を手にしつつある。だが、急速な開放政策は大きな富をもたらすだけでなく、社会を不安定化させる。ミャンマーは「急成長」と「バランスのとれた成長」の岐路にさしかかっている。指導者たちは短期的な富を模索するのではなく、力強い中間層を育んでいくやり方を選択すべきだろう。必要なのは、国全体の必要性をバランス良く満たし、広範な経済成長を実現するのに不可欠な司法、徴税、国境管理、情報公開をささえる制度を構築することだ。制度を構築して民主的な体制を整備していかない限り、これまで同様に、恩恵のすべてを権力者が横取りし、民衆は放置されることになる。
