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日本の電力危機とアジア・スーパーグリッド構想

田中伸男 日本エネルギー経済研究所 特別顧問

Ensure Energy Security by Smarter Grid

2012年9月号掲載論文

石油が安価で供給が安定し、世界経済の繁栄を支えた時代はすでに終わっており、将来のエネルギー安全保障のためには多様なエネルギーミックスが必要である。石油以外にも、天然ガス、原子力、石炭、再生可能エネルギーで電力を生産できる。特に、天然ガスによる発電はゲームチェンジャーとみなされている。だが、原発が稼働停止に追い込まれている日本にとって、原子力発電所を再稼働できなければ、毎年400-500億ドルの資金を投入して石油や天然ガスを調達しなければならなくなる。これは、日本の経常黒字の半分が石油や天然ガスの輸入によって消し飛ぶことを意味する。事故の教訓を踏まえて安全対策を強化した原子力を日本のエネルギーミックスの一部として当面維持していくことを選択肢から排除すべきではないだろう。一方で、ロシアの天然ガス資源を基盤に、アジア地域の経済成長と安定にとって不可欠なエネルギーアクセスを確保するための多国間協調枠組を形作っていく必要がある。

  • 石油安全保障のパラダイムシフト
  • 天然ガスのポテンシャル
  • 「地域的エネルギーインフラ」の試み
  • 日本の電力生産の未来
  • ロシアの資源と地域的経済協力のポテンシャル
  • アジア・スーパーグリッドの可能性

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