低成長と生産性成長の鈍化
―― 政府にできることは限られている
2017年8月号
世界経済の短期予測には楽観ムードがあふれているが、長期的にみれば、生活レベルを左右する生産性の向上には多くを期待できない状況にある。先進諸国における生産性は40年以上にわたって停滞し続けているし、この状況に対して政府ができることはいまやほとんどない。かつては教育やインフラの投資によって、生産性の成長に政府が一定の役割を果たすことができた。しかし、生産性を高める上で大きなインパクトをもつ、これらの措置は繰り返せない。渋滞する2車線の道路を高速道路に置き換えることに比べると、新しい高速への入り口を作ることの経済効果は限られている。人工知能、仮想現実、ナノテクノロジーなどのイノベーションが今後、生産性の向上をもたらすかもしれない。だが、そうならなければ、世界は低成長と低い生産性成長を特徴とする現状を抜け出せないままだろう。
