移民労働力と経済成長を考える
――移民労働者は脅威か、恩恵か
2007年2月号
グローバル世界の新たな潮流のなかでも特に重要なのが、世界の労働市場の統合が進んでいることだ。アメリカでは多くの産業が単純(非熟練)労働力不足という問題を抱え込んでおり、これに呼応するかのように、メキシコ人を中心とする単純労働者がアメリカへとタイミングよく殺到し、増大するアメリカの労働需要を満たしてくれている。こうした移民たちは、アメリカ人労働者が嫌がる仕事を引き受けて産業を支えることで、経済的富の拡大、アメリカ人労働者のスキルアップの機会をもたらしている。移民の流入がアメリカ経済にとって有益であることがはっきりしている以上、移民を締め出すのではなく、移民流入をより効果的に管理する制度改革を模索すべきである。