中印の台頭と新・新世界秩序
2007年4月号
すでに中国とインドの台頭によって、国際政治秩序は多極化へとシフトしつつある。ここで多国間機構の改革を進めて、こうした新興大国のパワーを枠組み内にうまく取り込んでいかない限り、多国間レジームの今後はますます不確定要因で覆い尽くされるようになる。多国間機構が妥当性を失っているのは、力と権限の不均衡、つまり、各国のパワーの実態に即した意思決定に関する権限と影響力が機構内で認められていないからだ。いかなる反対があっても、台頭するパワーを反映できるように多国間機構の改革を進めなければならない。そうしない限り、新興大国は独自の道を歩み始め、アメリカの利益と正面から衝突するような多国間機構を立ち上げようとするかもしれず、そこでわれわれが直面するのは不快な未来にほかならない。