世界の自動車産業の再編はいかに行われたか
―― GMと日産のケース
2010年1月号

最終的に、政府が介入しなければ、GMとクライスラーは資金不足に陥るのは分かっていた。民間市場での資金調達は望めない。・・・負債による資金調達さえ望めない状況だった。資金を投入しなければ、すでに月に80万人のペースで失業者が出ていた中西部の工業地帯でさらに300万人が失業することを意味した。政府は、そのような事態は受け入れられないと判断した。(S・ラットナー)
アメリカの自動車メーカーは、他国の企業のやり方に目を向けなかった。相手に学ぶことはないと思えば、すでにあなたはその段階で敗れている。白黒がでるまでの時間の違いはあるだろうが、必ず敗者になる。・・・今回の危機から学ぶ教訓があるとすれば、われわれは中国、インドの自動車メーカーの動向に注目する必要があるということだ。そうしない限り、われわれもまた、米企業と同じ間違いを犯すことになる。 (C・ゴーン)