地球温暖化リスクと原発リスク
―― フクシマの教訓と新小型原子炉のポテンシャル
2011年11月号
温室効果ガスが大気に蓄積されていくにつれて、電力をクリーンかつ安価に、しかも信頼できる形で生産する方法を見いだすことが、ますます切実な課題になっている。原子力は魔法の杖ではないが、(二酸化炭素を排出せずに)大規模な電力を生産できることが立証されている以上、フクシマを経た現在もその解決策の一部である。フクシマの教訓を生かして安全性を高めるとともに、建設コストを引き下げ、放射性廃棄物問題を解決しない限り、原子力エネルギーの大きな進展は期待できない。だが、小型モジュール炉(SMR)が実用化されれば、安全性とコストの問題は大きく改善される。SMR、再生可能エネルギー、先端型バッテリー、二酸化炭素回収・貯蔵技術の何であれ、新たなクリーンエネルギー上のオプションを作り出す試みを止めれば、10年後にわれわれは大きな後悔をすることになる。
