需要を喚起する新しい金融政策
―― キャッシュトランスファーの導入を
2014年9月号
中央銀行は21世紀の経済を1世紀前に考案された政策で管理しようと試み、思うように変化しない現実に直面している。リセッションは経済の健全性を取り戻すための必要悪であるとか、あるいは、それなりの価値があると考えるのでない限り、政府は一刻も早くリセッションを終わらせるために手を尽くすべきだし、ここで提言する中央銀行によるキャッシュトランスファーはそれを実現する非常に効果的なやり方だ。市民にキャッシュを提供すれば消費を直ちに喚起できる。しかもインフラプロジェクトや法制化を必要とする税法の改正や税率の見直しなどとは違って、中央銀行の決断だけでキャッシュトランスファーは実施できる。金利の引き下げとは違って、需要を直ちに喚起できるし、金融市場や資産価格を歪めることもない。コースを変化させる上で必要なのは、新しいものを試みる勇気、知力、そしてリーダーシップだ。
