「イスラム国」の次なるターゲット
――欧米はテロに備えよ
2014年9月号

「イスラム国」の制圧地域はヨルダンと同じ規模に達し、その後、彼らはカリフ統治領をシリア・イラク両国の制圧地域で樹立すると宣言した。軍事的攻勢を続けるなか、「イスラム国」は新たに兵士をリクルートし、武器と資金を手に入れて、短期間のうちに、テロ集団からテロ軍団へと姿を変えている。しかも、今後は欧米に矛先を向けるつもりのようだ。2014年に入って、「イスラム国」の指導者・アブバクル・バグダディは「われわれは近くアメリカとの直的対決路線をとる」と警告している。実際、ヨーロッパ人の殺害に懸賞金を出し、アメリカやヨーロッパに化学兵器を持ち込もうとしているようだ。「イスラム国」の野望がイラク・シリアの国境地帯を制圧することだけだと考えるべきではない。特に彼らのヨーロッパにおけるテロ計画を軽く見るべきではないだろう。