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中国を揺るがす水資源危機

サルマーン・カーン  タフト大学フレッチャースクール助教

Suicide by Drought ―― How China is Destroying Its Own Water Supply

Sulmaan Khan  タフト大学フレッチャースクール助教。専門は中国の対外関係、国際安全保障、国際史など。

2014年9月号掲載論文

1950年代以降、中国では2万7000の河川が枯渇し、消滅している。世界の人口の約5分の1の水資源需要を満たさなければならないのに、世界の水資源の7%しか中国には存在しない。しかも主要産業が集中し、南部よりもはるかに多くの水を使う中国北部には、国内の水資源の23%が存在するだけだ。その上、供給される水資源の多くが汚染されている。安価で潤沢な労働力に依存している中国の成長モデルは、一方で中国大陸の水資源を左右する生態系さえも大きな圧力にさらしている。もはや経済モデルを見直し、エコロジーバランスの回復を優先課題に据えるしかない。必要とされる遠大な環境改革を実行するのは、政治的に不可能に思えるかもしれない。だが、現在の政策を見直さない限り、中国社会はいずれ深刻な社会不安に陥り、水資源を軸に南部と北部が対立し、下手をすると内戦へと向かう恐れさえある。

  • 経済成長と水資源
  • 脅かされる水源
  • 水不足に高まる政治不満
  • エコロジーバランスを回復するには

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