北京の泥棒男爵たち
―― 中国の金ピカ時代
2021年9月号
この40年で、中国の政治腐敗は構造的に変化し、窃盗型から(特権を手に入れるための)アクセスマネー型へ変化した。資本家の利益に見合う動きをする政治家には報酬が与えられ、特権を買った資本家は私腹を肥やす。要するに、中国はいまや金ピカ時代のさなかにある。縁故資本主義の危険性に気づいている習近平は、政治腐敗が少なく、平等性が高い中国バージョンの革新主義時代を実現しようと、冷酷に強制力を用いている。だが、本当の改革とは、このような形では定着しない。むしろ、強制力を用いた上からの改革は、現在の問題を解決するカギとなる「下からのエネルギー」を抑え込んでしまい、結局は事態をさらに悪化させる。それにしても、なぜ「政治的に腐敗している国は貧しい」というトレンドを、中国は回避できているようにみえるのか。・・・