世界食糧危機をいかに緩和するか
―― 農業大国アメリカのポテンシャル
2022年8月号
ロシアの黒海封鎖によってウクライナの穀物輸出が妨げられ、ロシアの輸出も経済制裁によって抑え込まれている。こうして、ボスポラス海峡を通過するウクライナやロシアの小麦やトウモロコシの輸出が大きく減少し、エジプトだけでなく、アフガニスタン、エチオピア、ケニア、ナイジェリア、パキスタン、南スーダン、イエメンを含む中東や北アフリカの多くの国々が食糧危機(供給不足、価格高騰)に苦しんでいる。途上国への食糧支援を十分に提供できる立場にある農業大国のアメリカは、飢餓に苦しむ世界に援助を拡大すべきだし、その経験もノウハウももっている。第二次世界大戦期のレンドリースといえば、イギリスへの船舶や軍需品を供給したことが先ず想起されるが、実は食糧援助も含まれていた。・・・