遺伝子組み換え技術を世界の恩恵とするには
2002年6月号
科学的に立証されていない遺伝子組み換え作物の危険を、ことさらに騒ぎ立てる人々は、新技術を生かした作物の栽培を通じて世界中の消費者と貧しい農民の生活水準を引き上げるという、遺伝子組み換え技術の大きな可能性を摘み取ってしまっている。世界の貧困層のためにバイオテクノロジーを役立てるには、途上国への農業研究援助を増やし、知的所有権をめぐる複雑な問題を管理するシステムが必要になる。研究成果の保護を求める開発者利益と、この技術を世界の経済開発問題に応用することによって得られる公益との間の微妙なバランスを踏まえた管理制度の構築が求められる。
