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CFRインタビュー
新指導層と中国の行方

エリザベス・エコノミー  米外交問題評議会シニアフェロー

China's New Leader Could Prove a Political Reformer

Elizabeth Economy 米外交問題評議会シニアフェロー。専門は、中国の国内・外交政策、米中関係、地球温暖化問題。

2003年1月号掲載論文

以下は、エリザベス・エコノミー米外交問題評議会(CFR)シニアフェローによる中国の新指導層と改革の行方に関するコメント。
(聞き手はバーナード・ガーズマンCFR・orgのコンサルティング・エディター)

私は、インターネットによって連携・団結した中国の労働者・農民の大規模な抗議活動が中国全土で起こり、中国のシステム全体にかかわる課題が新指導層に突きつけられるのではないかと考えている。つまり、中国共産党にとっての本当の課題は、クリーンなシステムを築き、法の支配を推進し、政治・経済システムの両方で透明性を高めることだ。そうした改革なくして、中国共産党が長続きすることはない。

  • 胡錦涛とは何者か
  • 江沢民の遺産
  • 米中関係と中国の行方

<胡錦涛とは何者か>

ガーズマン 胡錦涛が中国共産党総書記に就任し、二〇〇三年の早い段階で中国の新しい国家主席に選出されることが決定した。だが、中国専門家以外のほとんどの人にとって、胡錦涛が何者なのかよく分からない。彼はどういう人物なのか。

エコノミー 胡錦涛は、中国のMIT(マサチューセッツ工科大学)あるいはカリフォルニア工科大学ともいえる清華大学を首席で卒業し、党中央委員会のメンバーに、当時としては最年少の三十九歳で選出された。その後、貴州省、チベット自治区、甘粛省など、中国のなかでも特に貧しい省や自治区で指導者として頭角を現していく。チベットがあまり好きではなかったらしく、健康上の理由で異動願いを申し出ている。彼の政治志向を明確に判断するのは難しいが、かつて鄧小平と胡耀邦の側近として仕えた人物であり、現代中国で最も改革志向の強い政治指導者の一人であるのは間違いない。一方で、チベットの反体制派の弾圧をいささかも躊躇しなかったという気質も持っている。最近では、中央党学校の校長を務めてきたが、ここは、中国の政治改革をめぐって非常に興味深い議論・研究がなされているところだ。多くの人々は、胡錦涛が中国の政治改革をめぐって大胆な構想を打ち出すとはあまり思っていないが、私には、彼の沈着でどことなく無表情な顔の下には、興味深い何かが潜んでいるように思える。・・

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