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2023年1月10日発売

フォーリン・アフェアーズ・リポート
2023年1月号

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フォーリン・アフェアーズ・リポート2023年1月号 目次

中国はどこへ向かうのか

  • 習近平の世界
    イデオローグは何を考えているか

    ケビン・ラッド

    雑誌掲載論文

    習近平は、中国の政治をレーニン主義的な左寄りに、経済をマルクス主義的な左寄りに、そして外交をナショナリスト的な右寄りにシフトさせている。政策と民衆の生活のあらゆる領域で党の影響力を高め、国有企業を強化し、民間部門に新たな制約を加えている。そして、より強硬な外交姿勢をとることで、ナショナリズムを煽り立てている。・・・

  • 覚醒した中国民衆
    激動の時代の幕開け

    イアン・ジョンソン

    雑誌掲載論文

    最高指導者になって以降の10年間、習近平が前向きの改革ではなく、統制策の強化に血道を上げてきたために、いまや普通の人々もこの国が抱える大きな問題に気づき始めている。これが反ゼロコロナデモの意味合いに他ならない。民衆デモは、人々が個人の自由を求めていることだけでなく、中国政治が激動の時代を迎えることを告げている。

  • レッドチャイナの復活
    習近平のマルクス主義

    ケビン・ラッド

    Subscribers Only 公開論文

    習近平の中国は、鄧小平路線に象徴される改革開放路線、プラグマティズム路線と完全に決別した。改革時代の終わりの儀式を司ったのが第20回党大会だった。マルクス・レーニン主義の信奉者である習の台頭はイデオロギー的指導者の世界舞台における復活を意味する。共産党による政治・社会の統制時代へ回帰し、中国における少数意見や個人の自由のための空間は小さくなっていくだろう。

  • 習近平の本質
    奢りとパラノイアの政治

    蔡霞

    Subscribers Only 公開論文

    習近平は中国の政治派閥のすべてから反発を買っている。彼が伝統的な権力分配構造を破壊したことに憤慨し、その「無謀な政策が党の将来を危うくしている」と考えているエリートは少なくない。民間企業を締め上げ、政策の細部にまで介入して民衆を苦しめる統治スタイルへの社会の反発も大きい。・・・

  • 中国経済は低成長期へ
    世界経済への意味合い

    ダニエル・H・ローゼン

    Subscribers Only 公開論文

    企業投資、家計や政府の支出、貿易黒字からみても、中国の国内総生産(GDP)がこれまでのような成長を持続できるとは考えにくい。現実には、2022年に2%の成長を維持することさえ難しく、正確に計測すれば、2022年はゼロ成長、あるいは景気後退に陥る危険もある。基本的な財政・金融・その他の改革を遂行せずに、政治的に決定された高い成長目標を永続的に達成できると信じる理由はどこにもない。・・・

  • 低成長と中国経済の課題
    内需主導型成長への転換は実現するか

    ブラッド・セッツァー

    Subscribers Only 公開論文

    過去20年間、中国経済の成長は内需ではなく、輸出または定期的な投資拡大によって支えられてきた。だが不動産デベロッパーもいまや債務問題に苦しんでいる。しかも、地方政府の歳入は、デベロッパーへの土地売却に大きく依存してきたために、現在の不動産不況で大きく圧迫されている。地方政府が誘導する投資ではなく、個人消費に牽引された、より健全な経済を築くには、政府の財政措置を拡大しなければならない。

  • 中国の夢と現実
    習近平時代の中国の夢と民衆の思い

    ペリー・リンク

    Subscribers Only 公開論文

    中国的特性の今日的価値観が何であるかについてのコンセンサスはもはや存在しないし、いまや中国の大衆は民主主義という言葉をそのまま受け入れている。だがそれでも、習近平は伝統的な政治道徳モデルを復活させようとしている。事実、彼の言う「中国の夢」は富や国家的プライドだけでなく、権威への服従を強調している。・・・

グローバル経済の変調

  • インフレの時代へ
    金融緩和策と供給ショック

    ケネス・S・ロゴフ

    雑誌掲載論文

    2021―22年の異常な物価上昇の直接的要因の多くはいずれ解消するだろうが、低インフレの時代がすぐに戻ってくることはおそらくない。大恐慌以降、最悪の二つのリセッション(2008年と2020年)を経て、中央銀行が引き起こす深刻な経済停滞の社会的・政治的影響は非常に大きなものになるだろう。

  • いつものリセッションではない
    世界経済は質的に変化している

    モハメド・A・エラリアン

    雑誌掲載論文

    世界はリセッションの瀬戸際に立たされているだけではない。経済・金融の奥深い転換期を迎えている。成長を抑え込む主要な要因が需要不足から供給不足へシフトし、中央銀行による量的緩和の時代が終わり、金融市場の脆弱性が高まっている。これらの変化が、個人、企業、政府に経済的、社会的、政治的影響を与えることになる。世界をより良い方向に向かわせるには、この変化を認識し、適切な舵取りを学んでいかなければならない。

  • マジックマネー時代の終焉
    大規模緩和策の未来

    セバスチャン・マラビー

    Subscribers Only 公開論文

    1992年から2022年までの30年間、低インフレ・低金利の時代が続いたのは、グローバリゼーションが物価を抑え込んだ結果だった。しかし、グローバル化は行き詰まり、戦略物資の備蓄やサプライチェーンの再編が進められているために、インフレはさらに加速するだろう。だがFRBはなぜ判断を間違えたのか、その本当の教訓とは何なのか。

  • インフレは今後も続くのか
    マジックマネーの時代の終わり?

    セバスチャン・マラビー

    Subscribers Only 公開論文

    中期的に考えれば、価格を押し上げる供給不足は、永続的なものではなく、一時的なものに終わると考えられる。供給が安定し、需要が落ち着けば、適度な引き締め策で十分に対処できるようになる。2023年初頭までには、インフレ率は目標の2%を少し上回る程度で安定しているだろう。・・・

  • 経済制裁とインフレ
    経済制裁が引き起こす人道的ダメージ

    イスファンディヤール・ バトマンゲリジ、エリカ・モネット

    Subscribers Only 公開論文

    経済制裁対象国で何百万もの人々を悲惨な生活に追い込んでいる高インフレの多くは、まさしく欧米の制裁によって引き起こされている。実際、アメリカや欧州連合(EU)の主要な制裁下にあるすべての国で高インフレが認められる。(インフレによって)無差別に多くの人が経済的苦境に直面すれば、苛立ち、疲れた相手国の民衆は(政府に対応を求めて)街頭に繰り出すかもしれない。だが、問題国の政府がこれで行動を見直すことはない。

  • コロナウイルス・リセッション
    経済は地図のない海域へ

    モハメド・A・エラリアン

    Subscribers Only 公開論文

    2008年のグローバル金融危機に続くグレートリセッションは低成長、(量的緩和などを通じた)金融の人為的安定、格差の拡大を特徴とする「ニューノーマル」を作りだし、その後の10年で中間層が空洞化し、政治的な怒りと反エリート感情が高まりをみせていった。コロナウイルスショックもグローバル経済を大きく変化させ、ポスト「ニューノーマル」をもたらすと考えられる。脱グローバル化、脱リージョナリズムが加速し、世界の生産と消費のネットワークが再編されていく。費用対効果と効率を心がけてきた官民双方は、リスク回避とレジリエンス(復元力)の管理を重視せざるを得なくなる。ウイルスショックから立ち直った世界が目にするグローバル経済は完全に姿を変えているはずだ。

  • 変化したグローバルな潮流
    多極化時代の新冷戦を回避するには

    オラフ・ショルツ

    雑誌掲載論文

    ツァイテンヴェンデ(時代の転換、分水嶺)は、ウクライナ戦争や欧州安全保障問題を超えた流れをもっている。ドイツとヨーロッパは、世界が再び競合するブロック圏に分裂していく運命にあるとみなす宿命論に屈することなく、ルールに基づく国際秩序を守る上で貢献していかなければならない。われわれは民主国家と権威主義国家の対立は模索していない。それでは世界的分断を助長するだけだ。

  • 権威主義体制のレジリエンス
    その強さのルーツを検証する

    シェリ・バーマン

    雑誌掲載論文

    反対運動を分裂させて弱体化し、結束したエリート層をもち、強力だが政治的に従順な軍と警察を組織できれば、独裁体制はレジリエントになる。ロシアや中国といった権威主義国家が「自分たちの体制は欧米の民主主義体制よりも優れている」と主張しているだけでなく、対外的な強硬姿勢を強めているだけに、独裁体制の強さ、耐久力の理由を知ることは重要だろう。

  • 紛争が長期化する理由
    理想主義対現実主義

    クリストファー・ブラットマン

    雑誌掲載論文

    ウクライナの指導者と市民は「いかなるコストを支払おうとも、ロシアの侵略に屈して、自由や主権を犠牲にすることはない」と決意している。ロシアにとっても、これはイデオロギー戦争でもある。ウクライナ戦争は、戦略的ジレンマだけでなく、双方が妥結という考えを嫌悪しているために、戦いが長期化している。

  • 戦争を終わらせるには
    ロシアのリアリストに和平の条件を示せ

    タチアナ・スタノバヤ

    雑誌掲載論文

    現在ロシアが破滅の道にあること、このまま残虐行為や資源の浪費を続ければ、すでに追い込まれているロシアの立場がさらに悪化することをリアリストたちは理解している。欧米が、ロシアのリアリストが平和主義者へと立場を変えることを望むのなら、「和平がロシアの体制や国家の崩壊につながらないこと」を明確にモスクワに対して示さなければならない。

  • 中露の脅威にどう対処するか
    場所と課題を選んだ闘いを

    リチャード・フォンテーヌ

    雑誌掲載論文

    中ロと敵対する世界で、アメリカはどのように行動すべきか。これにどう答えるかが、今後の米外交の中核課題となる。中ロと、あらゆる課題をめぐってあらゆる場所で競い合うのでは、失敗するのは避けられないし、そうする必要もない。これら2大国の課題に対処する外交政策では、地域や課題について優先順位を決め、困難なトレードオフを判断しなければならない。

  • ウクライナは冬を越せるのか
    欧米の支援疲れ、難民危機、電力不足

    メリンダ・ヘリング、ジェイコブ・ヘイルブラン

    Subscribers Only 公開論文

    キーウが直面している問題は、資金不足だけではない。ロシア軍によるエネルギーインフラ攻撃で、ウクライナ全土で停電が起きている。モスクワは空爆によって、この冬、ポーランドなどの周辺国に新たにウクライナ難民を流出させ、政治的混乱を起こし、その多くがプーチンと立場を共有する極右政党を勢いづけたいと考えている。しかも、アメリカの支援はやり過ぎだと考える共和党支持者の割合は48%に達している。

  • ウクライナの再建を考える
    人口減、都市・経済インフラの破壊に対処する

    アナ・レイド

    Subscribers Only 公開論文

    先の見通しがたたない悲惨な状態のなかでも、一定の平和が戻ったときに、この国をどのように再建したいかを考え始めている人たちがいる。楽観的なシナリオでも、東部では戦闘が何年も続く可能性が高いことは理解されている。経済的喪失だけでなく、500万人以上が国外に難を逃れ、国内にいないこと、人口が大きく減少していることにも対処しなければならない。政治腐敗国家に戻らないようにする努力も必要だろう

  • 中ロによる民主国家切り崩し策
    台頭する権威主義モデルと追い込まれた欧米

    アンドレア・ケンドール=テイラー、デビッド・シュルマン

    Subscribers Only 公開論文

    民主主義を切り崩していけば、欧米の影響力低下というトレンドを加速し、ロシアと中国の地政学的目標を促進できる。これが、中ロが共有している中核ビジョンだ。自国のパワーをアメリカのそれと比較して相対的に捉えるモスクワと北京は、欧米民主国家を衰退させれば、自国の国際的な地位向上につながると考えている。

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