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政治・文化・社会に関する論文

南アジアにおける平和の構築

2002年11月号

ペルベズ・ムシャラフ パキスタン大統領  リチャード・ホルブルック 前米国連大使、米外交問題評議会理事

カシミールはごく最近まで一触即発の危険な状態にあった。インド側は挑発的な行動をとっていたし、攻撃のための軍事能力も整備していた。現在はどのような状態にあるのだろうか。攻撃の意図は薄れつつあるが、軍事能力は依然としてそこに存在する。そこに印パ双方の軍事力が存在し、二つの勢力が対峙している限り危険は残る。攻撃の意図が一夜にして変わることは十分にあり得るからだ。

中東紛争を経済開発構想で解決せよ

2002年11月号

A・ロバート・アバウド 前ファースト・ナショナルバンク・オブ・シカゴ会長 ニュートン・N・ミノー シドレー・オースチン・ブラウン&ウッド上席顧問

経済的後発性や停滞が生み出す悲惨な現実や絶望が国際的なテロリズムの背景にある。したがって、より豊かな生活ができるようになると人々が希望を抱くようになれば、民衆がテロリズムに魅了されることも少なくなり、アラブ・イスラエル紛争への打開への道も開けてくる。一連の経済開発構想をつうじて生まれる経済的絆が政治的絆を育むようになれば、人々は痛ましい過去ではなく、期待に満ちた未来に目を向け、暴力と敵意は平和と友好に置き換えられることになる。

論争
アメリカの覇権と単独行動主義

2002年11月号

ジョセフ・S・ナイ ハーバード大学ケネディスクール学部長 ステファン・R・グロバード ブラウン大学歴史学教授 ブルース・ラセット イエール大学国際関係論教授

以下は、この秋にフォーリン・アフェアーズ誌上で発表されたアメリカの覇権と単独行動主義をテーマとする三論文、「アメリカの覇権という現実を直視せよ」(ステファン・G・ブルックス&ウィリアム・C・ウォールフォース、「論座」二〇〇二年九月号)、「ジョージ・W・ブッシュの世界像」(マイケル・ハーシュ、同十月号)、「新帝国主義というアメリカの野望」(G・ジョン・アイケンベリー、同十一月号)に寄せられた反論とコメント。

「対テロ戦争」というレトリックの弊害

2002年10月号

グレンビル・バイフォード 国際問題アナリスト

美しさを人がどうとらえるかと同じことで、テロリズムも立場によってとらえ方が違ってくる。目的を達成するのにどのような手段を用いたかで、それがテロであるかどうかを判断するのは間違っている。同時多発テロへのアメリカの怒りにしても、アメリカが攻撃され、アメリカ人が殺されたことに市民は激怒しているのであって、攻撃の手法自体に怒りを募らせているわけではない。したがって、漠然としたものにしかなり得ず、むしろ問題をつくり出す「対テロ戦争」というレトリックを振り回すのをやめるべきだ。国家安全保障にかかわる特定の具体的課題としてテロ問題に取り組むべきであり、テロ対策について語るときも「利益が一番で、次が目的、そして手段」というアメリカ人の常日頃の優先順位を忘れてはならない。

進化する総合安全保障政策と日米同盟の行方

2002年9月号

外交問題評議会シニアフェロー エリック・ヘジンボサム   マサチューセッツ工科大学 政治学教授 リチャード・J・サミュエルス

平和主義、ノーマルな国家になることへの模索、アメリカへの追随、中国に対する反発といった一般通念では、もはや日本の外交路線は説明できない。ワシントンは、日本の総合安全保障概念が進化し、これを支える二重保険戦略が生まれていることを直視し、この戦略と共存していく道を学んでいく必要がある。

生物学的脅威に備えよ

2002年8月号

クリストファー・F・チャイバ クリントン政権国家安全保障会議スタッフ

公衆衛生体制の改善こそ、バイオテロ対策の基本である。病原体によっては潜伏期間が数週間にも及ぶので、バイオテロに真っ先に対応するのは消防、警察、軍隊ではなく、医療関係者となる可能性が高く、感染症を早期に発見し、対応できる公衆衛生監視体制の強化が急務となる。また、バイオテロであれ、自然発生型の感染症であれ、病原体は国境を超えて自由に移動する。当然、世界的な感染症発生の監視・対応メカニズムの改善、世界中で備蓄されている病原体の管理など、国際的監視枠組みの強化も不可欠である。

グローバル化というわれわれが共有する未来

2002年8月号

◎スピーカー アメリカ合衆国第四十二代大統領 ウィリアム・G・クリントン 米外交問題評議会会長  ◎司会 ピーター・ピーターソン

「市場経済のメカニズムが問題を引き起こしている」という反グローバル派の言い分は間違っている。真実は「市場経済のメカニズムだけでは世界の問題を解決できない」ということだ。グローバルな社会・教育・環境・経済政策なくして、グローバル経済は成立しない。われわれが真の相互依存世界を実現したいのなら、より統合されたグローバル・コミュニティーを形成しなければならない。

グローバル化の衝突

2002年8月号

スタンレー・ホフマン ハーバード大学教授

われわれが暮らしているのは、脆弱な統治制度と未発達の市民社会という欠陥を持つグローバル社会と、国家間の格差が大きく、破綻国家を内包する国際社会が重なりあう世界だ。統治制度も成熟した市民社会も持たないグローバル化は、平和ではなく、紛争と反発の種をまき散らし、生活の基盤を奪われた人々は、報復とテロ攻撃のなかに自尊心を見いだしている。テロリズムが、国家間関係とグローバル社会を結びつける血なまぐさい絆の役目を果たしているこの世界を、どうすればより住みやすくできるのだろうか。

アメリカの覇権という現実を直視せよ
――単極構造時代の機会と危機

2002年8月号

ステファン・G・ブルックス ダートマス・カレッジ助教授 ウイリアム・C・ウォールフォース ダートマス・カレッジ准教授

アメリカは、国力を構成するすべての領域で支配的な優位を確立しており、われわれは、アメリカの覇権による単極構造の世界にある。今後数十年にわたって覇権抗争を展開できる国が出現する可能性はほとんどないし、アメリカへの対抗バランスを形成するというレトリックも全く実体に欠ける。単極構造下の覇権国は、世界、そして自国にとっての長期的な視野に立った利益を模索するゆとりを手にしている。このゆとりを利用し、世界の問題が深刻化してから状況に対応するのではなく、そうした問題が出現しないように先手を打つことこそ、世界、アメリカ双方にとっての利益となろう。

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