イスラエル・イラン戦争のリスク
―― ガザ紛争が長期化すれば(10/19)
2023年12月号
![](https://www.foreignaffairsj.co.jp/cms/wp-content/uploads/2023/10/shutterstock_2186922041-260x173.jpg)
これまで、イスラエルとイランは、制御不能なエスカレーションリスクを冒すことなく、定期的に相手を挑発できると考えてきた。だが、いまやガザにおける戦争が、そうした微妙な計算を狂わせつつある。テヘランは、イスラエルとハマスの戦争を、レバノンやシリアでの代理(傀儡)勢力の攻撃によってイスラエルの能力を低下させるチャンス、あるいはイラクやシリアの米軍に対する武装勢力による攻撃の再開を促すチャンスとみなすかもしれない。こうした作戦はすでに進行しているのかもしれない。紛争が長引けば、安定化へのインセンティブは低下し、イスラエルとイランの衝突リスクは高まっていく。戦争がまだこの地域に広がっていないとしても、世界の指導者たちは、戦争の拡大はあり得ないと錯覚してはならない。