Review Essay
江沢民とは何者か
1999年3月号

毛沢東、鄧小平とは違って、江沢民には自らの奉じる信条への確信が醸しだすカリスマもなければ、他を圧倒するような権限もない。権力の座を射止めて四年がたった時点でも、彼は公の場で自由に発言さえできない。こうした江沢民流の慎重であいまいなリーダーシップは、中国での共産主義の先行き不透明感を反映しているのだろうか。「優柔不断で矛盾に満ち、なんとか状況を乗り切ることばかりを考え」「自分の昇進の鍵を握る目上の人物との関係を築き、それを育むことに長けた」この一見凡庸な人物が、いったいどのようにして遠大な内部抗争に勝利を収めたのか。中央統制経済から市場経済への移行が引きずりだした大きな変化をいなしつつ、なぜ、かくも穏便に世代交代を実現できたのだろうか。