1994年以降に発表された邦訳論文を検索できます。

論文データベース(最新論文順)

アメリカの覇権と世界
――覇権国は帝国の歴史から何を学ぶべきか

2004年12月号

エリオット・コーエン/ジョンズ・ホプキンス大学教授

「帝国の時代」は終焉を迎えたかもしれないが、その後、アメリカ覇権の時代が始まった。帝国、あるいは帝国に似た存在であれば、妬まれ、憤慨され、疑われ、信頼されず、往々にして憎しみの対象とされるのは避けられない。現在の国際政治も、アメリカの優位とそれに対する反発で規定されている。だが、勢力均衡がいまに復活することはあり得ず、国連もうまく世界の問題を解決できてはいない。覇権国アメリカは、帝国の歴史が教える叡智に学びながら、混沌を回避するために世界に介入せざるを得ない。

技術革新の拠点としてアジアに目を向けよ

2004年11月号

アダム・シーガル 米外交問題評議会シニア・フ ェ ロー

アメリカの技術関連企業が進出し、現地に研究所が設立されると、アメリカに留学して訓練を受けていた科学や工学系の研究者たちが続々とアジアの母国へと帰国し始め、こうした技術拠点でも独自に技術開発が試みられるようになった。将来の技術革新に必要なアイデア、才能、資本が集積している技術拠点はもはやシリコンバレーだけではない。それは、中国、台湾、インドにも存在する。

核によるテロの脅威は実存するのか

2004年11月号

スピーカー
グレアム・アリソン/ ハーバード大学教授
聞き手
ロバート・ガルーチ/ジョージタウン大学外交大学院院長

「いつ、どこで、誰が、どのように核テロを起こすかを検討すると、核によるテロが起きるのは必然だとさえ考えるようになった。なぜそのような事態が起きるかよりも、なぜいまのところ起きていないかのほうが不思議なほどだ」(アリソン)。 (邦訳文は二〇〇四年秋にニューヨークの米外交問題評議会で開かれたミーティング・プログラムからの抜粋・要約。全文(英文)はwww.cfr.orgからアクセスできる)

新指導層率いる中国の課題

2004年11月号

エリザベス・エコノミー/米外交問題評議会シニア・フェロー

中央軍事委員会主席ポストを辞した江沢民の表舞台からの退場によって指導層の世代交代は完了し、中国には胡錦涛や温家宝らが率いる第四世代の新指導層が誕生した。だが新世代の指導者たちは、貧富の差の拡大、腐敗の蔓延、共産党の権限の衰退という現実を前に、いかに経済と政治の改革を進めていくかという大きな課題に直面している。経済至上主義がつくり出した社会問題に、新指導層はどう対処していくのか。共産党の支配体制はどうなるのか。聞き手はバーナード・ガーズマン(www.cfr.orgのコンサルティング・エディター)。全文(英文)はwww.cfr.orgからアクセスできる。

アメリカへの信頼はいかに失墜したか

2004年11月号

ロバート・W・タッカー/ジョンズ・ホプキンス大学名誉教授
デビッド・ヘンドリックソン/コロラドカレッジ教授

いまや世界はアメリカのことを、都合のよいときだけ国際法を持ち出し、そうすることが有利な場合だけ国際機関を利用する国際社会の異端者とみなしはじめている。国際法へのコミットメント、コンセンサス重視型の政策決定、特定の問題よりも巨視的な問題を重視する姿勢、世界平和の維持へのコミットメントという戦後のアメリカの正統性を支えてきた四つの支柱がなぜかくも大きく揺らぎだしたのか。アメリカの正統性を回復する道はあるのか。

CFRタスクフォース・リポート
イランへの選択的関与を

2004年11月号

◎スピーカー
ロバート・ゲーツ/ジョージ・H・W・ブッシュ政権CIA長官
ズビグニュー・ブレジンスキー/カーター政権国家安全保障問題担当大統領補佐官
スザンヌ・マロニー/プロジェクト・ディレクター
◎司会
リー・フェインシュタイン/米外交問題評議会シニア・フェロー

ロバート・ゲーツは、2006年12月上旬に提言を発表したイラク研究グループ(ISG)のメンバーだっただけでなく、2004年に米外交問題評議会(CFR)がまとめたイラン問題タスクフォースの共同議長も務めていた。現在、ブッシュ政権は、内外の政策提言を検証しつつ、イラク政策見直しを行っている。ISGはイラク問題を管理していくための国際会議の開催を提言し、リチャード・ホルブルック元国連大使も、最近のインタビューで、イラク問題を論じるのに、イラン、シリア抜きでは意味がないと発言している。核開発を続けているとしても、イラクの安定化にはイランの協力が欠かせないとすれば、かつてイランへの関与を説いたゲーツ新国防長官はどのようなイラク・イランへの政策スキームを考えているのか。本文は、イラン問題に関するCFRタスクフォースが2004年夏に発表したリポートに関する討論。

同時多発的な石油供給の混乱に備えよ  
――ベネズエラ石油危機の教訓

2004年10月号

ミシェル・ビリッグ/前米外交問題評議会国際関係フェロー

サウジアラビアの石油輸送の拠点が攻撃され、イラクの武装蜂起がさらに激化し、ナイジェリアで民族浄化が起き、旧ソビエトのチェチェン人分離勢力が破壊工作活動を行い、ベネズエラが禁輸策をとれば、世界の石油の供給はどうなるだろうか。非常事態に備えた、多層的な供給ラインの整備が必要である。

テロとイラクにどう対処する

2004年10月号

司会
リチャード・ハース/米外交問題評議会会長
パネリスト
マックス・ブート/米外交問題評議会シニア・フェロー
エリザベス・エコノミー/米外交問題評議会シニア・フェロー
ステファン・フリン/米外交問題評議会シニア・フェロー
ベン・ステイル/米外交問題評議会シニア・フェロー

経済問題よりも外交、安全保障問題が重視される二〇〇四年の米大統領選挙で問われる課題は何か。イラク戦争の結末はどうなるのか、テロとの闘いに勝利できるのか、中国の台頭は脅威か、国際協調と単独行動のバランスをどうとるのか。邦訳文は次期大統領の外交課題に関する討論会からの抜粋・要約。全文(英文)はwww.cfr.orgからアクセスできる。

大量破壊兵器開発を阻止するには

2004年10月号

アシュトン・カーター/クリントン政権国防次官補

現在の技術では、大量破壊兵器(WMD)開発に関する情報の収集・分析は完全なものではなく、テロに対する防衛同様に、WMDに対する防衛も複層的なものとならざるを得ない。核分裂物質がテロリストの手に渡らないようにし、生物兵器テロの被害を最小限に抑え込めるような公衆衛生体制をつくり、核不拡散条約(NPT)の抜け穴を埋め、WMD関連情報の収集と分析の質を高める必要がある。

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