1994年以降に発表された邦訳論文を検索できます。

論文データベース(最新論文順)

北朝鮮、イランへの政権交代策を

2005年2月号

マックス・ブート/米外交問題評議会シニア・フェロー

武装ゲリラ勢力に対抗し、彼らを粉砕する力を持つイラク政府を誕生させることを最重要課題とみるマックス・ブート(米外交問題評議会シニア・フェロー)は、イラク治安部隊の整備と強化を最優先に取り組む必要があると指摘し、仮に治安部隊の整備がうまくいかない場合には、米軍の規模を倍増させるか、あるいは、大幅に削減させることを提言している。 聞き手はバーナード・ガーズマン(www.cfr.orgのコンサルティング・エディター)。全文(英文)はwww.cfr.orgからアクセスできる。

アメリカの経常赤字とドルを考える
――第二のプラザ合意が必要か

2005年2月号

ピーター・ピーターソン/米外交問題評議会理事長
フレッド・バーグステン/米国際経済研究所(IIE)所長

「アジア諸国は、自国通貨が過小評価された状態を保ち、世界の市場への輸出ポジションを強化し、自国の失業問題をアメリカなどの諸外国に輸出するために市場に介入している。これは、国際通貨基金(IMF)や世界貿易機関(WTO)のルールを無視した行為である」。アジア諸国を通貨問題の交渉テーブルにつかせるとともに、アメリカでの大がかりな保護主義の台頭の機先を制するには、輸入課徴金の導入さえも検討すべきかもしれない。

ブッシュ訪欧で米欧は和解へ向かう

2005年2月号

ジョセフ・ジョッファ/独「ツァイト」紙発行人・編集長

ドイツの有力週刊紙「ツァイト」の発行人・編集長で、優れた外交コメンテーターとしても知られるジョセフ・ジョッファは、ブッシュ大統領の訪欧によって、米欧和解はシンボル面でも実質面でも軌道に乗ったと分析する。氷よりも冷たかったブッシュとシュレーダーの関係も和解へと向かい、反米路線を外交の要諦とするフランスのシラク大統領さえも、自分の側にシュレーダーをつなぎ止められるか確信がもてなくなってきたために、いまや対米関係の修復に躍起となっている、と。聞き手はバーナード・ガーズマン(www.cfr.orgのコンサルティグ・エディター)。全文(英文)は、www.cfr.orgからアクセスできる。

敗れた戦争に勝利するイラク撤退戦略を

2005年2月号

ジェームズ・ドビンス/ランド研究所国際安全保障・防衛政策研究センター所長

ワシントンがイラクから撤退の約束をすれば、イラク人、イラクの近隣諸国、国際社会も、対米批判を超えて「イラクの長期的な安定こそが自分たちが共有する利益である」という事実に目を向けるようになる。ワシントンはイラクでの最終目的を、イラク政府が統治できる安定した環境の整備、そして「環境が整い次第米軍を全面撤退させること」に据えるべきだろう。

台頭する中国と米・東アジア関係

2005年2月号

スピーカー
エリック・ヘジンボサム/米外交問題評議会シニア・フェロー
エドワード・リンカーン/米外交問題評議会シニア・フェロー
アダム・シーガル/米外交問題評議会シニア・フェロー
司会
ナンシー・ローマン/米外交問題評議会シニア・フェロー

北朝鮮の問題同様に深刻なのが、アメリカと韓国の関係だ。「アメリカの政府官僚、アジア地域専門家は、日本のことはグローバルなパートナーとみなしても、韓国をそのようにはみなくなるかもしれない。米韓関係が深刻な問題を抱え込むことになるかもしれない。いまのところ、地政学のバランスに配慮した平衡感覚が働いているが、アメリカが韓国から全面撤退してもおかしくないとみられるような言動をみせるようになれば、朝鮮半島をめぐって、韓国ではなく、中国がもっと大きな課題として浮上してくる」

邦訳文は二期目のブッシュ政権とアジアをテーマに行われた米外交問題評議会のワシントン・プログラムからの抜粋・要約。全文(英文)はwww.cfr.orgからアクセスできる。

アメリカはイラクから撤退せよ

2005年2月号

エドワード・ルトワック/戦略国際問題研究所シニア・フェロー

米軍がイラクから撤退すれば、武装勢力は力の限界を超えた活動をするようになり、手の広げすぎによってバランスを失い、結局は力を失っていくし、いまは反米でまとまっているために表面化していない各勢力間の対立を引き出すこともできる。米軍撤退と近隣諸国との外交交渉を連動させる以外に、イラク安定化への道はない。

米外交問題評議会インタビュー
ブッシュ就任演説と対テロ戦争

2005年1月号

ジェームズ・リンゼー  米外交問題評議会研究部長

自由を拡大し、圧政を終わらせることを強調したブッシュ大統領の就任演説が内政ではなく外交問題に終始したことは、9・11がもたらした大きな環境の変化を反映しているとジェームズ・リンゼーは指摘する。リンゼーは、今回の就任演説はある種の期待や抱負のようなもので、具体的な戦略を意図したものではないと分析しつつも、就任演説は民主化を求める勢力を勇気づけることには成功したが、アメリカの自由や民主主義に関するダブルスタンダードをこれまでも批判してきたイスラム過激派との戦いでは、大きな問題をつくり出すことになるかもしれないと語った。民主主義や自由を促進すると表明しておきながら、それを抑圧している政権と緊密に協力していると批判されることになるかもしれない、と。
聞き手はバーナード・ガーズマンのコンサルティング・エディター。

米外交問題評議会インタビュー
大災害と感染症の脅威

2005年1月号

ローリー ・ギャレット 米外交問題評議会シニア・フ ェ ロー

津波災害の後には、マラリア、デング熱、デング出血熱、シゲラ、コレラが流行しだすと指摘するローリー・ギャレット米外交問題評議会シニア・フェローは「不衛生な医療器具を用いて医療活動が行われれば、いずれ、B型肝炎、C型肝炎、HIVその他の血液で感染する感染症を拡散・蔓延させることになる」と警鐘を鳴らし、同氏は、災害危機への国際的対応をとりまとめ、救援・支援をめぐる適切な調整を果たすグローバルな組織を設立する必要性を強く主張した。
聞き手はバーナード・ガーズマンのコンサルティング・エディター。

イラクでの選挙と中東の再編

2005年1月号

スティーブ・クック 米外交問題評議会次世代フ ェ ロー

シーア派は人口の多さからみても自分たちが政治権力を握って当然だと考えているし、クルド人は独立を、そしてスンニ派はシーア派の思い通りにされてはたまらないと考えている。さらに、イラクでシーア派が実権を握るようになれば、イラクを越えて湾岸地域の政治再編に大きな衝撃を与えるだろう。

中国をめぐる米欧対立の再燃か?

2005年1月号

ウォルター・ラッセル・ミード  米外交問題評議会シニア・フ ェ ロー

中東問題に次いで、中国との関係をいかに管理していくかがアメリカのグローバルなアジェンダの一つであると指摘するウォルター・ラッセル・ミード米外交問題評議会シニア・フェローは、独仏が対中武器禁輸措置の解除を模索しているのは、ヨーロッパがキャッシュ欲しさに、アメリカの死活的利益を脅かすような行動をとろうとしていることを意味すると批判し、このような状態にある米欧関係をどの程度パートナーシップと呼べるのか疑問に思うと語った。聞き手はバーナード・ガーズマン(www.cfr.orgのコンサルティング・エディター)。邦訳文は英文からの抜粋・要約。全文英文はwww.cfr.orgからアクセスできる。

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