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アジアの世紀の到来と 欧米秩序の運命
――秩序の進化を阻む欧米のダブルスタンダード

キショール・マブバニ  国立シンガポール大学公共政策大学院長

The Case Against the West

Kishore Mahbubani シンガポール外務省事務次官、シンガポール国連大使を経て、現在は国立シンガポール大学公共政策大学院長兼教授。本論文は、同氏の近著 "The New Asian Hemisphere: The Irresistible Shift of Global Power to the East" からの抜粋・要約。

2008年6月号掲載論文

自分たちが主導する時代が終わりつつあること、そして、アジアの時代が到来しつつあることを欧米の指導者はなかなか受け入れられずにいる。国連安保理、国際通貨基金(IMF)、世界銀行、主要8カ国(G8)などの主要なグローバルフォーラムにおける特権的な立場にしがみつき、いかに自分たちがアジアの世紀に対応していくべきなのかを考えようとはしない。アジアの目標はアメリカとヨーロッパが成し遂げた成果に続くことだ。欧米の成功を自分たちが再現したいと望みこそすれ、アジアは欧米を支配したいとは望んでいない。アジア諸国が地域レベル、グローバルレベルの課題への対応能力を強めつつあることを欧米世界は歓迎し、受け入れるべきだろう。

  • 先を見なくなった欧米
  • なぜ中東問題は解決しないか
  • 核不拡散をめぐるダブルスタンダード
  • 自由貿易の価値を疑いだした欧米
  • 地球温暖化対策をめぐる偽善
  • アジアの台頭と西欧の価値は両立する

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