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国防と安全保障に関する論文

テロとの戦いの優先順位とは
 ――イスラム主義者、イラク、イラン、パキスタン

2008年2月号

マイケル・D・ハッカビー
前アーカンソー州知事、米共和党予備選・大統領候補

「私はサウジアラビアの抑圧体制を、石油資源を持たないスウェーデン同様に扱いたいと考えており、そのためには、エネルギー自立路線を確立する必要がある」
 「イラク駐留米軍の最高司令官であるペトレイアス将軍が提言するタイミングよりも早い段階で、大統領としての私がイラクからの撤退を開始することは決してない」
 「かなりの規模の戦力を残して治安の維持と拡大・強化に努めなければ、努力して手に入れた成果を失うことになりかねない」

クリストファー・ヒルが語る 対北朝鮮交渉の今後

2008年2月号

クリストファー・ヒル 米国務次官補

「北朝鮮は(核開発に関する)申告をすることそのものを嫌がっているわけではない。問題は、北朝鮮が包括的で正確な申告をするのを嫌がっていることだ。われわれとしては、包括的でも正確でもない申告など受け入れる理由はないと考えている。この点をめぐって、われわれは膠着状態にある」
 対北朝鮮交渉の障害をこう描写するクリストファー・ヒル米国務次官補は、「仮にかつてウラン濃縮計画が存在し、それをやめたのであれば、これまでに何をしていたかを知る必要があるし、計画をやめたのなら、いつやめたのかも知る必要がある。この点を明快にしたい」とコメントした。
 北朝鮮の人権問題についても、アメリカとの関係正常化の条件として間違いなく対応を求めていくと語ったヒルは、「国際社会に復帰したいと考えているのなら、人権基準を守るのが絶対条件となること、つまり、(人権問題に対応すること以外に)そこに選択肢はないこと」を平壌は理解する必要があると強調した。
 聞き手は、ロバート・マクマホン(www.cfr.orgの副編集長)。

CFRインタビュー
イランの核開発に関する
国家情報評価報告とイスラエルの立場

2007年12月号

ジェラルド・M・スタインバーグ バー・イラン大学政治学部長

「イランは核開発計画については2003年に停止しているが、ウラン濃縮プログラムは依然として続行している」。こう指摘した今回の国家情報評価(NIE)報告を受けて、アメリカのイラン政策が変更されるのかどうか、イランを国家安全保障上の最大の脅威とみなすイスラエルは、固唾を飲んでワシントンの動向を見守っていた。アメリカ国内では、「条件を付けずにイランと直接交渉をすべきだ」という声が聞かれる一方で、すでにNIE報告をどう解釈するかについての見直しも始まっており、イランの核開発の脅威は依然として存在するという見方も再浮上してきている。米・イスラエル安全保障関係の専門家であるジェラルド・M・スタインバーグは、「NIE報告に関するアメリカでの分析がさらに進み、それが何を言わんとしているかについての慎重な分析が進めば、イランに対する圧力行使策という点では、当初考えられたほどワシントンの路線に大きな変化はない」とみなす方向へとイスラエルでの議論は収れんしつつあると指摘しつつも、むしろアメリカはイランと交渉し、「イランにイスラエルがどのように機能しているかを理解させ、彼らの政策がイスラエルにどのような影響を与える可能性があるかを考えさせる必要がある」という指摘もあるとコメントした。聞き手はバーナード・ガーズマン(www.cfr.orgのコンサルティング・エディター)。

中東の外交プレーヤー
としてのトルコに注目せよ
 ――クルド人問題と中東秩序の再編

2007年11月号

F・スティーブン・ララビ ランド研究所ヨーロッパ安全保障問題担当議長

トルコはいまや中東における重要な外交プレーヤーとして台頭している。イランやシリアとの関係を修復し、パレスチナにも前向きなアプローチをとるようになり、広くアラブ世界との関係強化を試みている。こうした状況を前に、ワシントンには、トルコの外交政策が「イスラム化」していくのではないかと懸念する者もいる。だが、トルコが中東に積極的に関与し始めたのは、冷戦終結以降、トルコが外交路線を多様化させていることの結果である。現実には、トルコは、歴史的に自らがその一部だった地域を再発見しつつある。イラクのクルド地方政府とトルコの対立をどう解決して、イラクを安定化させ、トルコを中東への貴重な懸け橋の役目を果たしてくれるようにするか。ワシントンは、独立路線と自己主張を強めるトルコに圧力をかけるのではなく、そのようなトルコにうまく向きあっていくことを学んでいく必要がある。

変化する北東アジアに
アメリカはどう関与すべきか
 ――日中韓の台頭で流動化する北東アジア秩序

2007年11月号

ジェーソン・T・シャプレン 元朝鮮半島エネルギー開発機構政策顧問
ジェームズ・T・レーニー 元駐韓アメリカ大使

いまや、北東アジアには、危険なダイナミクスが出現している。いずれもパワフルでナショナリスティック、しかも反目の歴史を持つ中国、日本、韓国という3カ国が、同時に対外的低姿勢の時代を脱して覚醒しつつあり、パワーを競い合っている。この半世紀にわたって、アメリカは日本、韓国との関係を、北東アジア政策の基盤とし、日韓との関係を基盤に中国とのアジェンダも規定されると考えてきた。だが、そうした前提はすでに崩れ去っている。中国が、独自のコースを描けるような環境づくりにすでに成功している以上、日韓との2国間関係だけでは、今後の北東アジアにおけるアメリカのパワーの十分な基盤にはなり得ない。北東アジアのパワーバランスは変化しており、アメリカは、そうした変化を促している経済、安全保障、人口動態、ナショナリズムという各ファクター、さらには、中国が外交攻勢を強めているという事実を踏まえた、包括的で一貫性のある一連の政策をとる必要がある。

キャンペーン2008
私が大統領に選ばれれば

2007年11月号

ヒラリー・ロドハム・クリントン 民主党予備選大統領候補

私が大統領になれば、……政権発足後60日以内に、米軍を本国へと帰還させるための現実的なプランをまとめるように統合参謀本部議長、国防長官、国家安全保障会議に命じる。……新しいアメリカを世界に再デビューさせることで機会を生かしてみせる。私はアメリカのパワーを修復し、われわれが恐れる世界から自国を守るだけでなく、われわれが望む世界を構築することに取り組んでいく。われわれは安全と機会がともに存在し、拡大していくような世界、より安全で、繁栄し、正義に満ちた世界をつくらなければならない。(H・R・クリントン)

いまやアメリカのパワーはかつてなく高まっているが、一方で深刻な課題にも直面している。今日われわれは、脅威に対抗するのではなく、そうした脅威が出現するのを阻止するという重要な目標に資源を投入しなければならない。われわれが強く誠実であり、安定を維持できれば、より期待に満ちた将来を構築できる。アメリカの国家安全保障政策は、この目的を実現するために設計しなければいけない。世界のリーダーとしてのアメリカの役割を取り戻し、再び、他国の範になれるような国になるために、われわれの持てる力をフルに発揮しなければならない。

変化するアメリカのイラク政策
 ――シーア派政権の支持からアラブ・スンニ派との連帯へ

2007年10月号

リチャード・N・ハース 米外交問題評議会会長

アメリカのイラク政策はすでにシフトしている。ある程度うまくいっているクルド人地域の成功を固め、イラク南部を統御しようとしているシーア派の武装勢力やイラン人の活動にはある程度目をつぶり、イラクの中央政府ではなく、スンニ派をもり立てる路線へとシフトしている。対イラク政策の変更をこう指摘するリチャード・ハース米外交問題評議会(CFR)会長は、この路線は対イラン政策にもうまくフィットすると言う。イラクのスンニ派をもり立てる路線をとれば、イラクのスンニ派だけでなく、サウジアラビアやエジプトとの連帯を組むことができ、イラクで活動するイラン人やその傀儡勢力を締め出しやすい環境がつくれる。同氏は、ワシントンは、「イラクにおいて地域全体を視野に入れた戦略をとり始めている」とコメントした。聞き手はバーナード・ガーズマン(www.cfr.org のコンサルティング・エディター)。

CFRインタビュー
塩漬けにされた米印核協力合意の行方
 ――それでも米印の関係強化路線が揺らぐことはない

2007年10月号

ブルース・リーデル ブルッキングス研究所 セバン中東研究センターシニア・フェロー

インドのマンモハン・シン首相はブッシュ大統領との電話会談で、インド議会での共産党の反発ゆえに、米印核(原子力)合意の発効に向けた交渉を当面延期すると伝え、合意の先行きが危ぶまれている。インドの共産党は核協力合意の詳細ではなく、アメリカとの協調関係が強化されることに反発していると指摘するブルッキングス研究所のブルース・リーデルは、「核協力合意は短期的に塩漬けにされたままにされる恐れもあるが、米印の関係強化というトレンドが覆されることはあり得ず、長期的にみれば、今回の後退もしゃっくり程度の問題にすぎないと思う」と指摘する。今後、合意がいかなる運命をたどろうと、2009年に就任するアメリカの新大統領は、この10年間にわたって成熟し、強固な基盤を持つようになった米印関係を、21世紀におけるもっとも重要な2国間関係の一つに引き上げる機会を得ることになる、と同氏はコメントした。聞き手はバーナード・ガーズマン(www.cfr.org のコンサルティング・エディター)

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