解体する秩序と帝国主義の教訓
―― 強制力と合意の間
2015年10月号
西洋の帝国主義が一時的であれ、大きな流れを作り出せたのは、「強制力を行使する地域」と「相手の同意を求める地域」を明確に区別していたからだ。「パワー面で見劣りする国が相手なら力で支配できるかもしれない。しかし、相手が帝国のライバルとなると、周到な外交とうまく調整された協調が欠かせない」。これが当時の考えだった。このコンセンサスを無視して、ヨーロッパで帝国の建設を目指したヒトラーの試みは、悲劇を引き起こした。プーチンが、ロシアが主導する独立国家共同体(CIS)を形作ったのは繁栄を共有することを考えたからではない。帝国主義国家が世界の多くの地域を力で統治することに道を開いた国家パワーの格差がいまや消失し、新たな枠組みを考案する必要に迫られたからだ。すでに各国間、地域間のパワーの格差は消失している。ここでかつての帝国主義の歴史からどのような教訓を引き出すか。帝国にノスタルジアを抱くのも、帝国の強制力を正当化するのも間違っている。・・・
