日本は恐慌型経済から逃れられるか
2000年4月号
「世界は、いまなお恐慌型の経済問題を抱えている」。とりわけ、「流動性の罠」に陥り、かつ構造的な経済の非効率に苦しむ日本は、世界不況の不吉な前兆であるかのようだ、とポール・クルーグマン教授は指摘する。アジアの経済危機を予測し、日本の経済政策にも多大な影響力を持つクルーグマン教授が、米国、アジア、ヨーロッパ、南米そして日本の経済政策の問題を解き明かし、世界経済へ向けた警告を発する。本稿は、一九九九年五月一八日開催の米外交問題評議会の討論会「恐慌型経済への回帰」の議事録からの要約・抜粋である。共同主催は、同評議会の Corporate and National Programs と Pacific Council on International Policy である。
