
政府側にも反政府勢力側にも相手に屈服する意図はなく、双方とも長期戦を覚悟している。加えて、ともに相手に致命的な打撃を与える力を持っていない。このために、シリア紛争は明確に定義できる戦線の存在しない内戦と化している。・・・しかも、反政府勢力が一枚岩でないために、政府が掌握していない地域が軍閥に支配されたり、特定勢力の拠点にされたりしていく危険もある。外部勢力の介入によってこの均衡が崩れない限り、この状況が変化することは当面あり得ないし、現状では外部勢力の介入があるとは想定できない。・・・介入しても、より大きなダメージと混乱、そして不安定化がもたらされるだけだろう。最終的には不可能になるかもしれないが、レバノン、イラクその他へと紛争が飛び火しないように、あるいは、イスラエルやトルコは引きずり込まれないように、誰もがシリア紛争を国境内に封じ込めようと試みている。