シリアは二分され、アサドは生き残る?
2013年7月号
シリア反体制主流派は、米ロが主導し、ジュネーブでの開催が予定されているシリア和平会議には参加しないと表明した(その後も、現地情勢を変化させるのに必要な武器支援が届かない限り、会議には参加しないとの立場を示している)。こうした反体制派の反発は、シリア政府が「バッシャール・アサドは2014年まで政権を維持する」と表明したことが理由の一つだが、結局、アサド側の策謀にはまったともみなせる。今後、反体制派は立場を見直すように求める大きな圧力に直面し、一方、アサド政権側はジュネーブ(シリア和平)会議までに軍事攻勢を強め、既成事実を作り上げた上で交渉に臨みたいと考えている。反体制派は危機的な局面に立たされている。ロシアとイラン(そしてヒズボラ)はアサドを支持し、一方、(反体制派との折衝にあたっている)オバマ政権は、明確な戦略を示していない。さらに厄介なのは、この状況から最大の恩恵を引き出すのがジハーディスト勢力であると考えられることだ。・・・われわれは、シリアが二つの地域へと分裂していく長いプロセスを今後目にすることになるだろう。