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孤立した一本の矢
―― 量的緩和の国際的政治・経済リスク

ロバート・カーン 米外交問題評議会シニアフェロー

Abenomics's Solitary Arrow: Easy Money

Robert Kahn 米外交問題評議会シニアフェロー(国際経済担当)。IMF、米財務省、世界銀行、ムーアキャピタルマネジメント(シニア・ストラテジスト)を経て現職。専門はマクロ経済、債務再構築など。

2015年1月号掲載論文

アナリストの多くは、2014年12月の解散総選挙を契機に、安倍政権が構造改革に積極的に取り組むことを期待している。だが、今後、日本政府が構造改革に向けたイニシアティブをとっても、既得権益集団が依然として力をもち、改革への政治的障害が存在するために、その焦点は選挙制度の改正や地域安全保障の問題へと置き換えられ、構造改革を支える政治的エネルギーが奪われてしまうかもしれない。とはいえ、アベノミクスの第3の矢(構造改革)が進展しなければ、日本経済の成長のすべては量的緩和に依存することになる。そして、量的緩和と明らかに連動している円安が、2015年に向けて、通貨戦争のリスクを高め、世界の通貨市場を緊張させることになるかもしれない。さらに、これまでも貿易条約の批准に際しては為替レートのミスアラインメントへの対応を厳格に義務づけてきた米議会が、円安ドル高問題を取り上げれば、TPP交渉にも暗雲が立ち込めることになる。・・・

  • 残された一本の矢
  • 量的緩和と円安
  • 一本の矢の国際的リスク

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