イスラム国とイラクの現実
2014年12月号

イラクのクルド自治区議会は、(イスラム国に包囲された)シリアのクルド人を支援するために民兵組織ペシュメルガをシリアに派遣することを決議し、トルコ政府も一定数のペシュメルガがトルコを経てシリアに入り、コバニでの戦闘に参加することを認めた。一方で、コバニからの難民がトルコを経由してイラクのクルド人地域へと流れ込んでいる。その数は現地の収容能力をはるかに超えた1万1000人に達している。・・・イラク軍はすでに崩壊している。バグダッドの防衛にあたっているのはシーア派の武装組織で、イランがこうした武装集団を支援している。一方で米軍が空爆を実施している。・・・(イスラム国支配下にある地域では)イスラム国は国としての権威をアピールしようと試みている。行政組織を運営しようと試み、教師たちに教壇に戻るように促し、すべてはうまくいっているとみせかけようとしている。だが、これは真実ではない。(聞き手はバーナード・ガーズマン、cfr@orgのコンサルティング・エディター)