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中央アジアを揺るがすタリバーンの正体

アハメド・ラシッド/「ファーイースタン・エコノミックレヴュー」誌記者

The Taliban: Exporting Extremism

Ahmed Rashid Far Eastern Economic Review誌のパキスタン、アフガニスタン、中央アジア担当記者で、この二十年間アフガニスタンの戦争を取材してきた。著作にThe Resurgence of Central Asia: Islam or nationalism?(邦題『よみがえるシルクロード国家――中央アジア最新事情』)、近刊にTaliban: Militant Islam, Oil, and Fundamentalism in Central Asiaがある。

1999年12月号掲載論文

アフガニスタンの平和の実現を助けずして、中央アジアの広大な石油・天然ガス資源を安全に開発できると考えるのは、非現実的である。タリバーンが牛耳るアフガニスタンは、今やパキスタン、イラン、中央アジア諸国、イスラム教徒の多い中国の新疆ウイグル自治区の反政府イスラム勢力が安心して逃げ込める「聖域」となっているだけでなく、軍事訓練の拠点と化している。実際、タリバーンと協力して現在アフガニスタンで戦っている数千のイスラム原理主義者たちは、いつか祖国の政権を倒し、世界各地でタリバーン流イスラム革命を起こすつもりなのだ。しかも、アフガニスタンは今や世界最大のアヘン生産国で、この犯罪経済に周辺諸国が巻き込まれつつある。タリバーンが支配するアフガニスタンから、暴力、麻薬、カオス、テロリズムが周辺地域へと拡散するのを放置すれば、いずれわれわれは途方もないコストを支払わされることになる。

  • 中央アジア武装勢力の聖域
  • タリバーンの誕生
  • 次なる標的
  • ドミノ倒しになる中央アジア・イラン・中国
  • テロリストとの結びつき
  • 周辺国を巻き込むアヘン経済
  • カオスと麻薬の拡散を回避するには

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