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中国とタリバン
――互いの人権侵害に目をつむる

イアン・ジョンソン  ピュリツアー賞受賞ジャーナリスト

How Will China Deal With the Taliban?

Ian Johnson アメリカの作家、ピュリツアー賞受賞ジャーナリスト。中国を中心にカバーしている。米外交問題評議会シニアフェロー。最近の著作にThe Souls of China: The Return of Religion after Maoがある。

2021年10月号掲載論文

ある意味では、タリバン率いるアフガンは中国の完璧なパートナーかもしれない。「機能不全で北京への依存度が高く、中国がすることは何でも受け入れる」。タリバンと北京が共に相手の内政に干渉しないことが両国の関係の前提とされるはずだ。これは、北京にとっては「タリバンがアフガンとか細い国境を共有する新疆地域に過激主義を輸出せず、この地域のウイグル人イスラム教徒を対象とする北京の人権弾圧への非難を控えること」を意味する。一方、タリバンにとっては「中国市民が直接的に関わるケースでない限り、北京がタリバンの人権侵害を問題にしないこと」を意味する。おそらく、タリバンが新疆のイスラム教徒を支援するリスクを抑え込むことが北京の大きな狙いだろう。もっとも重要なのは、北京のアフガン関与が「中国の利益を支持する限り、相手国の内政を問題にすることはない」という、他国への北京の全般的エンゲージメントルールを示すことになると考えられることだ。


  • 理想的な関係?
  • アフガンにおける中国の利益
  • 対米観の変化
  • 新疆ウイグルの扱い

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