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2026.10.16 Fri
ウクライナの新しい現実
―― ドローンが変えた政治と社会
ドローンのイノベーションが民間主導で進められてきたために、市民の軍事戦略への関心が高まる一方で、伝統的なレガシー兵器を手がける軍需企業の新興テクノロジー企業への反発が高まっていた。ゼレンスキーが、このタイミングで、ドローンインフラの展開を支えてきた主要な設計者の一人であるフェドロフ国防相を解任したことで、2026年7月を境に一気にウクライナの政治と社会は流動化した。(グメニュク)
アメリカを含む世界のほとんどの国々は、兵器のフィードバックと改善という領域でウクライナに大きな後れをとっている。すでにウクライナとロシアは、ドローンなどの防衛技術にAIを徐々に組み込むことで、イノベーションをさらに進化させている。(ファイナー、シャイマー)
ロシア軍は戦争で大きなダメージを受け、多くの犠牲者を出しているが、それでも、戦前の兵員規模を維持し、ドローンや精密攻撃の能力を高め、防衛産業の生産能力を強化している。北大西洋条約機構(NATO)諸国は、ロシアのお粗末な戦績や、目に見える弱点を理由に油断してはならない。(コーフマン)
ウクライナの新しい現実
―― 選挙、民主主義、ドローン
2026年10月号 ナタリア・グメニュク ジャーナリスト(在ウクライナ)
ウクライナにおけるドローンの台頭は、ロシアとの戦場だけでなく、その政治と社会も変化させている。ドローンのイノベーションが民間主導で進められてきたために、市民の軍事戦略への関心が高まる一方で、伝統的なレガシー兵器を手がける軍需企業の新興テクノロジー企業への反発が高まっていた。ゼレンスキーが、このタイミングで、ドローンインフラの展開を支えてきた主要な設計者の一人であるフェドロフ国防相を解任したことで、2026年7月を境に一気にウクライナの政治と社会は流動化した。いまやキーウは、この新しい現実への対応を迫られている。
驚異的なドローン革命
―― ウクライナからいかに学ぶか
2025年9月号 ジョン・ファイナー 元米大統領副補佐官(国家安全保障担当) デイヴィッド・シャイマー 元米国家安全保障会議(NSC)部長
ウクライナ軍の前線部隊は、ドローンの戦場におけるパフォーマンスを軍需企業に伝え、企業側はこれを基にシステムを常に改善し続けている。アメリカを含む世界のほとんどの国々は、兵器のフィードバックと改善という領域でウクライナに大きな後れをとっている。すでにウクライナとロシアは、ドローンなどの防衛技術にAIを徐々に組み込むことで、イノベーションをさらに進化させている。もしアメリカがウクライナ支援から手を引けば、実績のある防衛技術や戦場における知見、ロシアの軍事パフォーマンスに関するデータへのアクセスを失う危険がある。
欧州とロシアの軍事パワー
―― 変貌した脅威に備えよ
2026年9月号 マイケル・コーフマン カーネギー国際平和財団 シニアフェロー
ロシア軍は戦争で大きなダメージを受け、多くの犠牲者を出しているが、それでも、戦前の兵員規模を維持し、ドローンや精密攻撃の能力を高め、防衛産業の生産能力を強化している。北大西洋条約機構(NATO)諸国は、ロシアのお粗末な戦績や、目に見える弱点を理由に油断してはならない。偵察と精密攻撃の両方をリアルタイムで実行できる安価な無人システムや自律型システムが支配する戦場で、どのような作戦行動をとればいいのかをNATOはまったく分かっていない。ヨーロッパはロシア軍の弱点を過小評価せず、ウクライナ戦争の教訓、特に大量ドローンと精密攻撃への対応を踏まえて、将来の抑止と防衛体制を早急に見直す必要がある。


