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2026.2.17 Tue
中国の経済的威圧策を抑止するには
―― 兵器化された相互依存
状況を変えるには、中国の経済威圧策を阻止するための集団的抑止協定が必要になる。韓国は、日米豪とともに、北大西洋条約機構第5条のように、一国に対する威圧を全加盟国に対する威圧とみなして報復する対中経済抑止協定を形作るべきだろう。(チャ)
単独では劣勢でも、オーストラリア、日本、韓国、アメリカがまとまれば、中国に対抗できる。この4カ国の連帯に北京の無理強いに遭ったことがある諸国を参加させれば、集団的レジリアンスはさらに強力になり、中国の高圧的行動、経済的無理強いを抑止できるようになる。(チャ)
ワシントンは、ロシアやイランの石油を購入する国々に厳しい制裁措置を検討し、北京は、半導体、軍事アプリ、電池、再生可能エネルギーに不可欠な重要鉱物やレアアースの輸出を定期的に制限している。いまや、世界市場そのものが分断され、エネルギーが新たに兵器化されている。(ボルドフ、オサリバン)
米日韓の集団的協調を
―― 中国の経済的威圧を抑止するには
2026年3月号 ビクター・チャ 戦略国際問題研究所(CSIS) 会長(地政学・外交政策部門担当)
アメリカとの原子力潜水艦協定を結んだ韓国は、現在の日本と同様に、今後、北京の経済的威圧策の対象にされる恐れがある。近隣諸国を経済的に威嚇し、圧力行使策に訴えても、北京は、なんの代償も支払っていない。単独では、この地域のいかなる国も中国に対抗できる政治的・経済的重みをもっていないからだ。だが、集団としてなら十分な手立てがある。状況を変えるには、中国の経済威圧策を阻止するための集団的抑止協定が必要になる。韓国は、日米豪とともに、北大西洋条約機構第5条のように、一国に対する威圧を全加盟国に対する威圧とみなして報復する対中経済抑止協定を形作るべきだろう。
中国の経済強制策を抑止せよ
―― 集団的レジリアンスの形成を
2023年3月号 ビクター・チャ ジョージタウン大学教授
北京はこの十数年にわたって、「台湾と交流し、香港の民主化を支持した貿易相手国、新疆ウイグル自治区でのジェノサイド(民族大量虐殺)やチベットにおける抑圧を批判した国や企業」に禁輸措置をとり、大衆の不買運動を焚きつけて報復してきた。北京が貿易パートナーに対して経済的な無理強いをする理由の一つは、「相手国が自国に報復措置をとることはない」と自信をもっているからだ。だが、単独では劣勢でも、オーストラリア、日本、韓国、アメリカがまとまれば、中国に対抗できる。この4カ国の連帯に北京の無理強いに遭ったことがある諸国を参加させれば、集団的レジリアンスはさらに強力になり、中国の高圧的行動、経済的無理強いを抑止できるようになる。
兵器化されたエネルギー資源
―― 復活した戦略ツールの脅威
2026年1月号 ジェイソン・ボルドフ コロンビア大学国際公共政策大学院 コロンビア・クライメートスクール学院長 ミーガン・L・オサリバン ハーバード大学ケネディスクール 教授(国際関係)
ワシントンは、ロシアやイランの石油を購入する国々に厳しい制裁措置を検討し、北京は、半導体、軍事アプリ、電池、再生可能エネルギーに不可欠な重要鉱物やレアアースの輸出を定期的に制限している。いまや、世界市場そのものが分断され、エネルギーが新たに兵器化されている。各国は、エネルギーの兵器化が間違いなく引き起こす変動から市民と企業を守る方法を見いだす必要がある。リスクを減らすには、生産量を増やすだけでなく、消費量を減らし、クリーンエネルギー投資を増やさなければならない。実際、気候変動の脅威そのものよりも、エネルギー安全保障強化の必要性が、クリーンエネルギーの導入と化石燃料の使用削減の強力なインセンティブを作り出すことになるかもしれない。


