2021.6.21. Mon

<7月号プレビュー>
新型コロナの不都合な真実
―― 永続化するウイルスとの闘い

すでに10数種の動物種に感染を広げている以上、新型コロナウイルスは根絶できない。世界規模の集団免疫も期待できない。十分なワクチンを生産・供給するには長い時間がかかるし、反ワクチンムーブメントの存在も集団免疫を達成させる見込みを遠ざけている。一方では、新種の変異株が次々と登場している。現在の検査キットをすり抜ける変異株が出てくる恐れもある。要するに、パンデミックが最終局面にあるわけではない。多くの人が短期間で終わることを願った危機は終わらず、現実には、驚くほどレジリアントなウイルスに対する長くゆっくりとした闘いにならざるを得ない。(ブリリアント他)

ワクチンの接種がすすみ、パンデミックが収束へ向かうことが期待されるなか、コロナウイルス変異株の出現で、逆にパンデミックが長期化するリスクが生じている。危険な変異株の出現を抑え込む最善の方法は、できるだけ多くの人々を感染から守ることだが、多くの低所得国や中所得国の民衆はまだ1回のワクチン接種も受けていない。すでに追い込まれている病院や医療施設へさらに大きな圧力をかける恐れもある。もっとも厄介なのは、ワクチン接種またはCOVID19への感染から得た免疫が、変異株への感染を防げないかもしれないことだ。・・・(オスタホルム、オルシェイカー)

世界における新規コロナ感染の三つに一つがいまやインドで起きている。だが、こうなる必然性はなかった。狼狽、間違い、奢りを通じて黙示録的世界を招き入れたのはモディ政権に他ならない。「国内のコロナを抑え込み、いまや世界のパンデミックを終わらせるのを助ける立場にある」と対外的に表明した彼の強気が裏目に出た。しかも、二つの変異株の特徴を有するB・1・617変異株が定着しつつあることを認識しつつも、この新しい敵を理解しようと政府が力を入れることはなかった。・・・(ガーロット)

新型コロナの不都合な真実
―― 永続化するウイルスとの闘い

2021年7月号 ラリー・ブリリアント パンディフェンス・アドバイザリーCEO リサ・ダンジグ  パンディフェンス・アドバイザリーのアドバイザー カレン・オッペンハイマー  グローバルヘルス戦略&オペレーションアドバイザー アガストヤ・モンダル  カリフォルニア大学バークレー校博士課程(伝染病学、計算生物学) リック・ブライト  前米連邦厚生省副次官補(準備・対応担当) W・イアン・リプキン コロンビア大学教授(感染症学)で同大学付属感染症・免疫センターのディレクター

すでに10数種の動物種に感染を広げている以上、新型コロナウイルスは根絶できない。世界規模の集団免疫も期待できない。十分なワクチンを生産・供給するには長い時間がかかるし、反ワクチンムーブメントの存在も集団免疫を達成させる見込みを遠ざけている。一方では、新種の変異株が次々と登場している。より大きな耐性をもつか、より感染力の強い新型の変異株については、追加のブースターショット、あるいは全く新しいワクチンが必要になるかもしれず、この場合、ほぼ200カ国の数十億人にワクチンを接種するというロジスティック上の大きな課題に世界は直面する。現在の検査キットをすり抜ける変異株が出てくる恐れもある。要するに、パンデミックが最終局面にあるわけではない。多くの人が短期間で終わることを願った危機は終わらず、現実には、驚くほどレジリアントなウイルスに対する長くゆっくりとした闘いにならざるを得ない。

変異株とグローバルな集団免疫
―― 終わらないパンデミック

2021年4月号 マイケル・T・オスタホルム ミネソタ大学兼感染症研究政策センター所長  マーク・オルシェイカー  作家

ワクチンの接種がすすみ、パンデミックが収束へ向かうことが期待されるなか、コロナウイルス変異株の出現で、逆にパンデミックが長期化するリスクが生じている。危険な変異株の出現を抑え込む最善の方法は、できるだけ多くの人々を感染から守ることだが、多くの低所得国や中所得国の民衆はまだ1回のワクチン接種も受けていない。変異株は人から人への感染力が高いかもしれない。すでに追い込まれている病院や医療施設へさらに大きな圧力をかける恐れもある。もっとも厄介なのは、ワクチン接種またはCOVID19への感染から得た免疫が、変異株への感染を防げないかもしれないことだ。・・・

インド変異株の悪夢
―― 変異株と政治災害が引き起こしたインドの悲劇

2021年6月号 マンダキニ・ガーロット  ジャーナリスト / 映画監督

世界における新規コロナ感染の三つに一つがいまやインドで起きている。だが、こうなる必然性はなかった。狼狽、間違い、奢りを通じて黙示録的世界を招き入れたのはモディ政権に他ならない。「国内のコロナを抑え込み、いまや世界のパンデミックを終わらせるのを助ける立場にある」と対外的に表明した彼の強気が裏目に出た。人々はマスクを外し、ソーシャルディスタンスのガイドラインを無視し始めた。保健担当大臣が偽医療を公的に紹介しただけでなく、ヒンドゥー教の大規模な宗教的祝祭(クンブメーラ)のために(ウッタラカンド州にある聖地ハリドワールへの)巡礼を認めたことでも政府は感染を拡大させてしまった。しかも、二つの変異株の特徴を有するB・1・617変異株が定着しつつあることを認識しつつも、この新しい敵を理解しようと政府が力を入れることはなかった。・・・

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2021年6月号(2021年6月10日発売)

Contents

  • データ量が経済とイノベーションを左右する
    ―― データアクセスとプライバシーの間

    マシュー・スローター 、 デビッド・マコーミック

  • パンデミック後の世界経済
    ―― 新興国が経済成長を主導する

    ルチール・シャルマ

  • シリア化するミャンマー
    ―― 東アジアにおける破綻国家の誕生か

    デレク・J・ミッチェル

  • チベットという名の監獄
    ―― 第2の新疆ウイグルか

    ハワード・W・フレンチ

  • インド変異株の悪夢
    ―― 変異株と政治災害が引き起こしたインドの悲劇

    マンダキニ・ガーロット

  • 中ロ離間戦略を
    ―― 対ロエンゲージメントのポテンシャル

    アンドレア・ケンドール=テイラー、 デヴィッド・シュルマン

  • アンゲラ・メルケルとその時代
    ―― その功罪を検証する

    コンスタンツェ・シュテルツェンミュラー

  • 中国の空虚な地政学戦略
    ―― 友人も影響力も得られない

    オードリー・ウォン

他全10本掲載

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