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2026.3.13 Fri
米中関係はどう変化していく
―― 同盟諸国の不安と苦悩
周到な政策をタイムリーにとらなければ、現在の流れと競争に状況が支配され、世界的な帰結を伴う対立リスクを高めることになる。世界が必要としているのは、伝統的な米中エンゲージメントへの回帰ではない。両国を瀬戸際から後退させる、新しい関係の正常化だ。(ランプトン、王)
世界には、米中がともに繁栄する余地が十分に残されている。トランプ大統領と習近平国家主席の相性は悪くなく、生産的なつながりを形作れるかもしれない。トランプは、中国、ロシア、アメリカという主要国が互いの国益を尊重し、紛争を回避する世界秩序を広く模索しており、これは中国の立場とも重なり合う。(呉)
同盟諸国は、早急にアメリカ後に備えるべきだ。核開発を含めて、国防領域の自立を試みる国も出てくるかもしれない。同盟諸国がアメリカに代わる選択肢をもたないことは、危険であるばかりか、無責任と言えるだろう。(ゴードン、カーリン)
米中衝突を回避せよ
―― 瀬戸際からの後退を
2026年4月号 デビッド・M・ランプトン 米中関係全米委員会 前会長 王緝思 北京大学 名誉教授
われわれ二人は両国における長年の研究者として、ほぼ60年にわたって米中関係の変動を経験してきた。両国が対立の影に覆われていることは理解している。しかし、米中の次の世代が新たな冷戦に突入する未来は何としても避けなければならないと考えている。周到な政策をタイムリーにとらなければ、現在の流れと競争に状況が支配され、世界的な帰結を伴う対立リスクを高めることになる。世界が必要としているのは、伝統的な米中エンゲージメントへの回帰ではない。両国を瀬戸際から後退させる、新しい関係の正常化だ。
米中の大いなる取引を
―― 関係リセットの条件
2026年2月号 呉心伯 復旦大学 国際問題研究院 院長
世界には、米中がともに繁栄する余地が十分に残されている。トランプ大統領と習近平国家主席の相性は悪くなく、生産的なつながりを形作れるかもしれない。トランプは、中国、ロシア、アメリカという主要国が互いの国益を尊重し、紛争を回避する世界秩序を広く模索しており、これは中国の立場とも重なり合う。つまり、北京とワシントンの指導者は、現在の世界では、米中間の勢力均衡だけでなく、大国間協調(米中間の積極的な連携)が必要であることに同意している。米中の経済問題、台湾、朝鮮半島、日本、南シナ海問題をいかに管理し、国際システムをいかに改革していくか。これらで、米中関係の今後は左右されるだろう。
米同盟諸国の苦悩
―― アメリカ後の選択肢を求めて
2026年2月号 フィリップ・H・ゴードン ブルッキングス研究所 スカラー マーラ・カーリン ブルッキングス研究所 客員研究員
安全保障と防衛をアメリカに依存する同盟民主諸国を中心に形成された戦後世界は、トランプによってすでに破壊されている。国内に分断を抱え、国防より社会保障の支出を優先する傾向のある同盟諸国は、トランプのやり方が永続化しないことを願い、時間稼ぎをして、様子見をしている。だが、それは賢明ではない。同盟を不必要な重荷とみなすトランプの立場を、アメリカ人も共有し、グローバルリーダーの重荷を背負うことにはいまや消極的だからだ。同盟諸国は、早急にアメリカ後に備えるべきだ。核開発を含めて、国防領域の自立を試みる国も出てくるかもしれない。同盟諸国がアメリカに代わる選択肢をもたないことは、危険であるばかりか、無責任と言えるだろう。


