2026.3.27 Fri
<4月号プレビュー>
変化した世界にどう向き合うか
―― 日本の安全保障
現在の脅威についての理解を社会と共有できなければ、日本が有効な対策を講じるのは難しい。安全保障上の複雑な脅威とアメリカとの新たな関係に適応していくには、強力な防衛力と情報力、そして経済力が求められる。しかし、緊張と分裂の少ない未来を築くためには、外交が必要になる。(岡野)
高市の戦略は「アメリカか、中堅国との連携強化か」という偽りの二者択一を強いるものではない。むしろ、アメリカを中核に、アジアやヨーロッパへ広がる経済・安全保障のパートナーシップの広範な連合を築かなければならないという認識に基づいている。これが、中国の威圧に対抗する上で唯一の実行可能なアプローチだろう。(グリーン)
日米は重要な岐路に立たされている。東京が、中国との長期にわたる対立に備えて大胆な措置をとり続けるなか、ワシントンのコミットメントは揺らいでいる。東京は難しい部分をこなしてみせた。今度はワシントンが立場を強化しなければならない。(ブルメンタール他)
危険な世界にいかに備えるか
―― 問われる日本の安全保障戦略
2026年4月号 岡野正敬 前国家安全保障局(NSS)局長
いまや人々は、かつてより外交政策を注意深く見守り、自分の立場を支える情報を消費する傾向がある。それだけに、国家安全保障の実務を担当する者は、過去の担当者たち以上に、丁寧にその決定を社会に説明し、擁護していかなければならない。現在の脅威についての理解を社会と共有できなければ、日本が有効な対策を講じるのは難しい。安全保障上の複雑な脅威とアメリカとの新たな関係に適応していくには、強力な防衛力と情報力、そして経済力が求められる。しかし、緊張と分裂の少ない未来を築くためには、外交が必要になる。今こそ外交的エンゲージメントに力を入れるべきだと私は確信している。
高市ビジョンと地政学
―― 揺れ動く世界と日本の選択
2026年4月号 マイケル・J・グリーン シドニー大学 アメリカ研究センター所長
高市の戦略は「アメリカか、中堅国との連携強化か」という偽りの二者択一を強いるものではない。むしろ、アメリカを中核に、アジアやヨーロッパへ広がる経済・安全保障のパートナーシップの広範な連合を築かなければならないという認識に基づいている。これが、中国の威圧に対抗する上で唯一の実行可能なアプローチだろう。彼女の目標は、アメリカとの安全保障関係をさらに強化することを軸に、より好ましい地域的パワーバランスを取り戻すことにある。そのビジョンは、揺るがされた世界秩序に直面する責任ある国家にとって、もっとも現実的な今後の道筋を示している。
日本を一人にしてはいけない
―― 中国のアジア太平洋覇権を阻むには
2026年3月号 ダン・ブルメンタール アメリカン・エンタープライズ研究所 シニアフェロー マイク・クイケン スタンフォード大学フーバー研究所 特別客員研究員 ランドール・シュライバー 元米国防次官補
日米は重要な岐路に立たされている。東京が、中国との長期にわたる対立に備えて大胆な措置をとり続けるなか、ワシントンのコミットメントは揺らいでいる。東京は難しい部分をこなしてみせた。今度はワシントンが立場を強化しなければならない。中国は、アジア太平洋の覇権を握るという野望を実現する上で、日米同盟が最大の障害であることを理解している。経済的にレジリエントで、外交的に活発で、軍事能力の高い日本なら、台湾を孤立させ、近隣諸国を威圧し、アメリカがこの地域に関与するコストを引き上げる北京の計画を損なうことができる。アメリカは、日本と同盟国にとって台湾有事は存立にかかわるという高市の発言を支持して、同盟国と共にあることを示す必要がある。


