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2020.1.27 Mon

監視資本主義と暗黒の未来
―― ビッグテックとサーベイランスビジネス

「監視資本主義=サーベイランス・キャピタリズム」が台頭している。フェイスブックとグーグルが主導するこの産業は、バーチャル世界から現実世界へとサーベイランスの範囲を拡大し、個人の生活の内側に入り込んでいる。ユーザーデータの収集・分析から、ユーザーが「今かすぐ後、あるいはしばらく後にとる行動」を予測することへ流れは移行しつつある。しかも、予測を的中させるもっとも効率的な手法は、予測されている行動をとるように仕向けることだ。(スター)

人工知能を利用すれば、権威主義国家は市民を豊かにする一方で、さらに厳格に市民を統制できるようになる。・・・中国は、サーベイランスと機械学習ツールを利用した「社会信用システム」を導入して「デジタル権威主義国家」を構築し始めている。21世紀はリベラルな民主主義とデジタル権威主義間の抗争によってまさに規定されようとしている。(ライト)

産真に開花するまでに100年以上を要した産業革命とは違って、デジタル革命による雇用喪失はわずか数十年で加速していく。これに比べれば、中国の台頭などの21世紀の地政学的動向は、あと20年もすれば、どれも、取るに足らぬ問題にすぎなくなる。どの国が世界最高のAIを保有しているかですべては決まるし、政府形態も流動化していく。(ドラム)

監視資本主義と暗黒の未来
―― ビッグテックとサーベイランスビジネス

2020年1月号 ポール・スター プリンストン大学 教授(社会学・公共政策)

「監視資本主義=サーベイランス・キャピタリズム」が台頭している。フェイスブックとグーグルが主導するこの産業は、バーチャル世界から現実世界へとサーベイランスの範囲を拡大し、個人の生活の内側に入り込んでいる。ユーザーデータの収集・分析から、ユーザーが「今かすぐ後、あるいはしばらく後にとる行動」を予測することへ流れは移行しつつある。しかも、予測を的中させるもっとも効率的な手法は、予測されている行動をとるように仕向けることだ。すでにフェイスブックは前例のない行動誘導の手法を確立している。中国の「社会信用システム」はインスツルメンタリアンパワー(技術的操作能力)と(政治的画一性を実現したい)国家の組み合わせだが、米企業はインスツルメンタルパワーと市場を抱き合わせるつもりかもしれない。

人工知能とデジタル権威主義
―― 民主主義は生き残れるか

2018年8月号 ニコラス・ライト インテリジェント・バイオロジー  コンサルタント(神経科学者)

各国にとっての政治・経済的選択肢は「民衆を抑圧し、貧困と停滞に甘んじるか」、それとも「民衆(の創造力)を解き放って経済的果実を手に入れるか」の二つに一つだと考えられてきた。だが、人工知能を利用すれば、権威主義国家は市民を豊かにする一方で、さらに厳格に市民を統制できるようになり、この二分法は突き崩される。人工知能を利用すれば、市場動向を細かに予測することで計画経済をこれまでになく洗練されたものにできる。一方で、すでに中国は、サーベイランスと機械学習ツールを利用した「社会信用システム」を導入して「デジタル権威主義国家」を構築し始めている。20世紀の多くが民主主義、ファシズム、共産主義の社会システム間の競争によって定義されたように、21世紀はリベラルな民主主義とデジタル権威主義間の抗争によってまさに規定されようとしている。

テクノロジー・ワールド
―― 地政学革命としての人工知能

2018年7月号 ケビン・ドラム マザージョーンズ スタッフライター

産業革命は世界を変えたが、機械が人間の筋肉の代役を果たすようになっただけで、人の頭脳が依然として必要とされたために、高賃金雇用が数多く創出された。しかしデジタル革命を担うのは、人間の頭脳を代替する人工知能(AI)だ。本質的に、人間レベルのAIは人間ができることすべてをより巧みに遂行できる。おそらくロボットはすべての仕事の4分の1(25%)以上を担うことになると考えられている。しかも、真に開花するまでに100年以上を要した産業革命とは違って、デジタル革命による雇用喪失はわずか数十年で加速していく。これに比べれば、中国の台頭などの21世紀の地政学的動向は、あと20年もすれば、どれも、取るに足らぬ問題にすぎなくなる。どの国が世界最高のAIを保有しているかですべては決まるし、政府形態も流動化していく。

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本誌最新号紹介

2020年1月号(2020年1月10日発売)

Contents

  • 資本主義の衝突
    ―― 「民衆の資本主義」か「金権エリート資本主義」か

    ブランコ・ミラノヴィッチ

  • アメリカの危険な対中コンセンサス
    ―― チャイナスケアを回避せよ

    ファリード・ザカリア

  • 中東における全面戦争のリスク
    ―― 何が起きても不思議はない

    ロバート・マレー

  • 貿易と移民と労働者
    ―― 保護主義はなぜ間違っているか

    キンバリー・クラウジング

  • 温暖化への適応か国の消滅か
    ―― 気候変動が引き起こす大災害の衝撃に備えよ

    アリス・ヒル、レオナルド・マルティネス=ディアス

  • 監視資本主義と暗黒の未来
    ―― ビッグテックとサーベイランスビジネス

    ポール・スター

  • 国家とGAFAの攻防
    ―― 5Gとクラウドをめぐる本当の闘い

    スコット・マルコムソン

  • CFR Briefing
    中国のイスラム教徒収容所
    ――なぜウイグル人を弾圧するのか

    リンジー・メイズランド

他全9本掲載

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