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2024.7.26 Fri
<8月号プレビュー>
米外交戦略 民主党と共和党の立場
トランプは(19世紀初頭に米大統領を務めた)アンドリュー・ジャクソンと彼の外交アプローチを高く評価している。「そうせざるを得ないときは、焦点を合わせた力強い行動をとるが、過剰な行動は控える」。トランプ二期目には、このジャクソン流のリアリズムが復活するだろう。(オブライエン)
誰が米大統領になろうとも、世界戦争は避けなければならない。深刻化する気候変動危機に対応し、人工知能などの新技術の台頭に取り組んでいく必要もある。問題を解決するために、アメリカがブラフや軍事力増強だけに依存するわけにはいかない。むしろ、外交に焦点を合わせなければならない。(ローズ)
オーストラリア、日本、韓国という緊密な同盟国を含む、インド太平洋におけるすべての米同盟国は、トランプ二期目が新たな問題を突きつけてくる事態にもっと危機感をもつべきだ。トランプは、バイデン政権とアジア諸国がまとめた防衛、経済・貿易構想の再交渉を求めるか、解体を試みるかもしれない。(チャ)
力による平和の復活
―― 二期目のトランプ外交を描く
2024年8月号 ロバート・C・オブライエン 前米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)
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トランプがアジアの同盟諸国に防衛にもっと貢献するように求めるのは、相手を不安にすると考える評論家もいる。だが現実には、「同盟関係は双方向の関係であるべきだ」というトランプの率直な発言の多くを、アジア諸国は歓迎し、トランプのアプローチは安全保障を強化すると考えている。トランプは(19世紀初頭に米大統領を務めた)アンドリュー・ジャクソンと彼の外交アプローチを高く評価している。「そうせざるを得ないときは、焦点を合わせた力強い行動をとるが、過剰な行動は控える」。トランプ二期目には、このジャクソン流のリアリズムが復活するだろう。ワシントンの友好国はより安全で自立的に、敵国は再びアメリカパワーを恐れるようになるだろう。
民主党の外交戦略
―― リスクの外交的管理を
2024年8月号 ベン・ローズ 元米大統領副補佐官 (戦略コミュニケーション担当)
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誰が米大統領になろうとも、世界戦争は避けなければならない。深刻化する気候変動危機に対応し、人工知能などの新技術の台頭に取り組んでいく必要もある。問題を解決するために、アメリカがブラフや軍事力増強だけに依存するわけにはいかない。むしろ、外交に焦点を合わせなければならない。ウクライナの経済を支えて国家基盤を強化し、ロシアとの長期的交渉に備えさせるべきだ。イスラエルを支える一方で、パレスチナ人の新たな指導者の育成とパレスチナ国家の承認に向けて努力する必要がある。そして、台湾の軍事能力に投資する一方で、北京とのコミュニケーションチャンネルをつくり、問題の平和的解決への国際的支持を動員しなければならない。
アジアとトランプの脅威
―― 不安定化リスクにどう備えるか
2024年8月号 ビクター・チャ ジョージタウン大学教授(政治学)
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オーストラリア、日本、韓国という緊密な同盟国を含む、インド太平洋におけるすべての米同盟国は、トランプ二期目が新たな問題を突きつけてくる事態にもっと危機感をもつべきだ。トランプは、バイデン政権とアジア諸国がまとめた防衛、経済・貿易構想の再交渉を求めるか、解体を試みるかもしれない。同盟国をこれまで以上に貿易上の敵対国とみなし、アメリカの軍事プレゼンスの削減を試みるだろう。独裁的指導者たちと親交を深め、アジアの核不拡散環境を揺るがし、朝鮮半島の核武装化を刺激する恐れさえある。