2019.3.25 Mon

<2019年4月号プレビュー>
中国経済のスローダウンと北京の選択、解体した米欧同盟、ほか

中国の経済成長率は鈍化し続けている。生産年齢人口の減少、賃金レベルの上昇など、経済のスローダウンを説明する要因は数多くある。だが重要なのは、中国の家計と国の債務がすでに先進諸国と同じレベルに達し、債務が名目GDPよりも速いペースで拡大していることだ。2019年1月の信用拡大は、2018年の年間社会融資総量合計の24%規模に達している。北京は高い経済成長率のためなら、進んでより大きな債務を抱え込むつもりのようだ。(ボールディング)

トランプ政権の最初の2年間にわたって、ヨーロッパの指導者たちは「虐げられた配偶者」のような状態に追い込まれた。酷い扱いを受けながらも、離婚を恐れ、状況は改善すると見込みのない期待に思いを託してきた。しかし、すでに同盟は死滅している。新しい大西洋関係には、同盟の価値を認識する米大統領と、域内の分裂を克服し、米欧の平等なパートナーシップにコミットするヨーロッパ人が必要になる。(ゴードン、シャピロ)

マドゥロ政権は、いかに生き延びるかを議論している。野党勢力との交渉、暫定的な軍政、早期における大統領選挙の実施も取り沙汰されている。チャベス主義者の虚勢が怒りへ変化し暴走し始める危険もある。マドゥロ政権は団結して誇りをもつように市民に求めているが、政権の高官や軍部は、非常に大きな内外の圧力にさらされながら活動している。最終的に今後数週間、あるいは数カ月で忠誠の対象を見直すことになるかもしれない。・・・(ブリスコー)

中国経済のスローダウンと北京の選択
―― 債務危機かそれとも政治的混乱か

2019年4月号 クリストファー・ボールディング フルブライト大学 ベトナム校准教授

中国の経済成長率は鈍化し続けている。人口の高齢化、生産年齢人口の減少、賃金レベルの上昇、都市部への人口流入ペースの停滞、投資主導型成長の限界、外国資金流入の低下など、成長率の鈍化、経済のスローダウンを説明する要因は数多くある。だが重要なのは、中国の家計と国の債務がすでに先進諸国と同じレベルに達し、債務が名目GDPよりも速いペースで拡大していることだ。債務の急速な拡大が危険であることを理解していたのか、北京は信用拡大を抑えて管理するための措置を2018年末にとったが、2019年1月の信用拡大は、2018年の年間社会融資総量合計の24%規模に達した。北京は高い経済成長率のためなら、進んでより大きな債務を抱え込むつもりのようだ。

解体した米欧同盟
―― 新同盟形成の余地は残されているか

2019年4月号 フィリップ・ゴードン 米外交問題評議会 シニアフェロー(米外交政策)、ジェレミー・シャピロ 欧州外交問題評議会 リサーチディレクター

トランプ政権の最初の2年間にわたって、ヨーロッパの指導者たちは「虐げられた配偶者」のような状態に追い込まれた。酷い扱いを受けながらも、離婚を恐れ、状況は改善すると見込みのない期待に思いを託してきた。しかし、離婚は避けられなかった。トランプ政権にとって、大西洋関係の統合とは、ヨーロッパがアメリカの言う通りに動くことを意味するに過ぎなかった。すでに同盟は死滅している。今後、アメリカが、ヨーロッパのノスタルジックな幻想のなかに存在する利他的なパートナーになることはあり得ない。新しい大西洋関係には、同盟の価値を認識する米大統領と、域内の分裂を克服し、米欧の平等なパートナーシップにコミットするヨーロッパ人が必要になる。

紛争か交渉か
―― チャベス主義とベネズエラの未来

2019年4月号 イワン・ブリスコー 国際危機グループ プログラムディレクター (ラテンアメリカ&カリブ海周辺諸国)

マドゥロ政権は、いかに生き延びるかを議論している。どうすれば重油を精製できるか。資金援助に乗り気でない中国とロシアから援助を引き出すには、どのような見返りが必要になるか。社会騒乱を引きおこす恐れのある欠乏の深刻化を前に、軍高官たちはどのように反応するか。野党勢力との交渉、暫定的な軍政、早期における大統領選挙の実施も取り沙汰されている。チャベス主義者の虚勢が怒りへ変化し暴走し始める危険もある。マドゥロ政権は団結して誇りをもつように市民に求めているが、政権の高官や軍部は、非常に大きな内外の圧力にさらされながら活動している。最終的に今後数週間、あるいは数カ月で忠誠の対象を見直すことになるかもしれない。・・・

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本誌最新号紹介

2019年4月号(2019年4月10日発売)

Contents

  • 赤字と債務にいかに向き合うか
    ―― 第3の道は存在する

    ジェイソン・ファーマン、ローレンス・H・サマーズ

  • 中国経済のスローダウンと北京の選択
    ―― 債務危機かそれとも政治的混乱か

    クリストファー・ボールディング

  • 迫り来る中台危機に備えよ
    ―― 米中台のレッドラインと危機緩和策

    マイケル・チェース

  • 中国は近く台湾に侵攻する?
    ―― 重層的誤算と戦争リスク

    ピーター・グリース、タオ・ワン

  • AI軍拡競争を超えて
    ―― 危険な米中ゼロサム志向を回避せよ

    レムコ・スヴェッツロット、ヘレン・トナー、ジェフリー・ディング

  • 動き出したクルド統一国家への流れ
    ―― クルドの覚醒と中東の未来

    アンリ・J・バーキー

  • さようなら、国際主義のアメリカ
    ―― トランプ時代の歴史的ルーツ

    エリオット・A・コーエン

  • 現実主義志向の国際システムを
    ―― 民主国家の拡大志向を抑えよ

    ジェニファー・リンド、ウィリアム・C・ウォールフォース

他全11本掲載

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