ポーランドではカトリックのキリスト教根本主義と結びつく形で急進右派が台頭し、排外主義感情が高まり、超国家主義やファシズムへの流れが生じている。「経済的な不満と難民の流入」というヨーロッパにおける急進右派の復活を促している全般的要素が作用しているのは事実としても、それだけではこの現象を説明できない。実際には、ポーランドの排外主義とキリスト教根本主義には、奥深い歴史的ルーツがある。「カトリック教徒のみが良きポーランド人だ」というこの国の排外主義的思想は戦間期に遡ることができる。宗教保守主義とポーランドのナショナリズムが融合し、これを、極右の政治運動が利用している。しかも、こうした右派的信条をいまや政権党となった「法と正義」が取り込んでいる。・・・
