シリア内戦と外部パワー
―― アフリンの攻防と勝者なき紛争の行方
2018年4月号

ロシア、イラン、トルコ、アメリカというシリア内戦に介入している外部パワーは、アサド政権同様に、紛争終結を望みつつも、譲歩を拒んでいる。シリアの反政府勢力への影響力をもつトルコは反クルドの立場からアフリンに介入し、クルド人を紛争期のパートナーとしてきたアメリカは軍事的成功を政治目標に結びつけようと、米軍をシリア北東部に当面駐留させるつもりだ。ロシアは内戦を終結へ向かわせるという大きな目的から、紛争終結のカギを握る(反政府勢力への影響力をもつ)トルコの協力を失うような危険は犯したくないと考えている。一方、アサド政権とイランは、トルコの介入は反政府勢力を勢いづけると反発している。この流れを変えない限り、シリア内戦は今後も続き、さらに多くの人の命が奪われることになる。