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2022.7.16 Sat

<8月号プレビュー>
ビジョナリーとしての安倍晋三
―― その先見性と洞察

リベラル派は、安倍首相(当時)に日本の過去の暗黒部を直視して償うことを求め、一方、保守派は、彼の国の誇りを重視する姿勢、軍事力増強と国際的安全保障活動への参加を強化しようする努力を称賛した。多額の債務を抱え、人口減少によって長期的に不利な経済状況に直面するなかで、日本は今後防衛費を増額させていくことになるだろう。それでも、現状は安倍元首相が掲げたビジョンからはかけ離れているし、実際に彼のビジョンにたどり着けるかどうかさえ、わからない。(リンド)

首相を辞任した後の6年間、私は人々の声に耳を傾けようと全国を訪問した。長引くデフレと円高のせいで職を失った人々の苦しみに、各地で耳を傾けた。未来への希望を失っている人もいた。当然、今回の政権ではデフレから脱却し、強い経済を取り戻すことを優先課題に据えた。(安倍、テッパーマン)

日本の地域的役割の強化を目指し、民主国家との連携強化を試みるために、安全保障行動の制約の一部を取り払おうとする安倍首相の現実主義的な外交・安全保障路線は、北朝鮮と中国の脅威という地域環境からみても、正しい路線だ。たしかに論争は存在する。市民の多くが平和主義を求める一方で、識者たちは日本の安全保障に対する脅威を憂慮している。しかし、そうした社会的緊張には、孤立主義や介入主義といった極端な方向に日本が進むことを防ぐ効果がある。(オースリン)

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