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日本の新しいリアリズム
―― 安倍首相の戦略ビジョンを検証する

マイケル・オースリン アメリカン・エンタープライズ研究所 レジデントスカラー、日本研究ディレクター

Japan's New Realism ―― Abe Gets Tough

Michael Auslin アメリカン・エンタープライズ研究所。レジデントスカラー、日本研究ディレクター。「アジアにおける地政学リスク」を近く出版予定。イェール大学准教授を経て現職。

2016年4月号掲載論文

日本の地域的役割の強化を目指し、民主国家との連携強化を試みるために、安全保障行動の制約の一部を取り払おうとする安倍首相の現実主義的な外交・安全保障路線は、北朝鮮と中国の脅威という地域環境からみても、正しい路線だ。たしかに論争は存在する。市民の多くが平和主義を求める一方で、識者たちは日本の安全保障に対する脅威を憂慮している。しかし、そうした社会的緊張には、孤立主義や介入主義といった極端な方向に日本が進むことを防ぐ効果がある。超国家主義が日本を近隣諸国に対する侵略と戦争へと向かわせた1930年代と違って、現在の日本は、アジアを豊かさと安定へと導く「リベラルなシステム」を強化し、擁護していくために、古い制約を解体しつつある。再出現した権威主義国家がグローバルな平和を脅かすような世界では、日本の新しいリアリズムが太平洋地域の今後10年を形作るのに貢献し、アジアを特定の一国が支配するような事態にならないことを保証する助けになるはずだ。

  • 前向きな変化
  • 冷戦終結から尖閣まで
  • 安倍政権の大戦略
  • 近隣諸国と日本の防衛
  • アジアを作り替える

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