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2021.2.17. Wed

ビッグテックが政治と経済を揺るがす
―― 不安定化する民主主義と国家安全保障

ビッグテックを抑え込むべきか。その経済的根拠は複雑だが、政治的にはそうすべき説得力に満ちた理由がある。すでにアメリカとヨーロッパの双方で、政府はビッグテックに対する独占禁止法違反の訴訟を開始しており、裁判は今後何年にもわたって続くだろう。だがこのアプローチは最善の方法とは必ずしも言えない。むしろ、この問題に対処できるのはミドルウェアだろう。現在、プラットフォームが提供するコンテンツは、人工知能プログラムによって生成された不透明なアルゴリズムによって決定されているが、ミドルウェアを使えば、ユーザーが管理を取り戻せるようになる。(フクヤマ、リッチマン、ゴエル)

大きな利益を計上し、成長し、強大化している巨大テクノロジー企業が、政府から分割される脅威から逃れようと「自分たちを分割すれば、中国が利益を手にする」と国家安全保障問題を引き合いに出していることに不思議はない。しかし、国家安全保障の観点からも、ビッグテックを競争から保護する理由はない。アメリカのビッグテックは中国と競争しているというより、むしろ中国と統合しようとしており、この状況の方がアメリカにとってより大きな脅威だ。ビッグテックの分割は国家安全保障を脅かすのではなく、むしろ強化するだろう。(シタラマン)

「監視資本主義=サーベイランス・キャピタリズム」が台頭している。フェイスブックとグーグルが主導するこの産業は、バーチャル世界から現実世界へとサーベイランスの範囲を拡大し、個人の生活の内側に入り込んでいる。ユーザーデータの収集・分析から、ユーザーが「今かすぐ後、あるいはしばらく後にとる行動」を予測することへ流れは移行しつつある。しかも、予測を的中させるもっとも効率的な手法は、予測されている行動をとるように仕向けることだ。(スター)


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