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テロに関する論文

テロリストはインターネットを いかに利用しているか  
――オンラインテロの脅威と対策

2007年2月号

エヴァン・F・コールマン
グローバル・テロアラート・コム運営者

テロリストによるデジタル版パールハーバーを警戒する各国政府は、仮想空間上の「ドアを閉める」作戦を展開しているが、欧米のコンピューターシステムに対する直接的なサイバーテロの危険はそれほど大きくない。テロ組織も、普通の組織と同じようにインターネットを利用しているだけで、テロ組織によるネット利用が脅威なのは、ひとえに彼らの意図と目的の部分にある。アルカイダやこれに準じたテロ組織は、インターネットを利用してテロ要員のリクルートを行い、資金提供者に接触し、世論に訴えかけ、テロ決行者へ指令を伝え、戦術や知識を蓄えては拡散し、テロ攻撃を組織化している。これらをすべて取り締まるのは事実上、不可能である以上、むしろ、それらのウェブサイトやフォーラムを好きにさせて、テロリストのイデオロギーや動機を理解するうえでの重要な洞察をもたらしてくれる貴重な情報源とすべきではないか。

CFRブリーフィング
戦争から3年を経たイラクを検証する

2006年3月号

ヒラリー・シンノット 前暫定占領当局(CPA)南部担当コーディネター。英国国際戦略研究所コンサルティング・シニアフェロー ニール・ローゼン ニュー・アメリカ財団研究員、『イラクにおける「殉教者」の勝利』が近く出版予定。 マイケル・オハンロン ブルッキングス研究所シニア・フェロー マリナ・オッタウェイ カーネギー国際平和財団シニア・アソシエーツ マイケル・ルービン 中東クォータリー誌編集長、アメリカン・エンタープライズ研究所のレジデントスカラー 

ゲリラ勢力がシーア派の聖地であるアスカリ聖廟(せいびょう)を爆破したことをきっかけに、イラク戦争後最悪の紛争がイランで発生し、すでに数百人のイラク人が犠牲になっている。「イラクは低強度紛争状態にある」とみなす専門家も多い。一方で、すでにイラクでの流れは変化し、スンニ派、シーア派の武装組織の攻撃の応酬がすでにかつてのレバノンのような暴力の連鎖と無秩序をつくり出しているとみる専門家もいる。ここで考えるべきは、「米軍部隊がバグダッドに攻め入ってから3年、ワシントンがこの戦争に勝利しつつあるのか、それとも敗れつつあるのか」という設問だろう。情勢はさらなる混乱へと向かうのか、それとも、アメリカの行動には関係なく、何とか管理できる紛争、低強度紛争が今後も続くのか。

マドラサは本当に脅威なのか
 ――イスラム過激主義とマドラサ

2006年2月号

イギリス外務連邦省 アレキサンダー・エバンス

専門家たちは、パキスタンのマドラサが黒幕であるとみられる比較的少数の紛争やテロの事例を基に、すべてのマドラサが狂信主義を子供たちに植え付けていると判断してしまっている。だが実際のマドラサはわれわれがイメージするようなものではない。南アジアの村の子供たちの多くにとって、マドラサは読み書きを習える唯一の場所だし、マドラサは親を失った子供たちや貧困家庭の子供たちの多くに社会サービスを提供している。マドラサに対して上から何かを強制し、締め付けるのではなく、マドラサ内部での改革を促す必要がある。

「政府の内外から専門家を集めて改革を進め、新たな作戦地域にすぐれた広報チームを迅速に派遣し、新聞、ラジオ、テレビ、インターネットすべてを使った広報を展開できるようにしなければならない。戦略的コミュニケーションラインの確立が遅れれば、その空白を埋めるのは敵か、何が起きているかを正確に伝えることなどあり得ない情報提供者たちとなる。……24時間体制のプレスセンターをつくり、インターネットなど新しいコミュニケーション手段をもっと重視するべきだ。世界中の多くの人々にとって新聞はもはや最も重要な情報源ではない」(D・ラムズフェルド)

米外交問題評議会インタビュー
ブッシュ就任演説と対テロ戦争

2005年1月号

ジェームズ・リンゼー  米外交問題評議会研究部長

自由を拡大し、圧政を終わらせることを強調したブッシュ大統領の就任演説が内政ではなく外交問題に終始したことは、9・11がもたらした大きな環境の変化を反映しているとジェームズ・リンゼーは指摘する。リンゼーは、今回の就任演説はある種の期待や抱負のようなもので、具体的な戦略を意図したものではないと分析しつつも、就任演説は民主化を求める勢力を勇気づけることには成功したが、アメリカの自由や民主主義に関するダブルスタンダードをこれまでも批判してきたイスラム過激派との戦いでは、大きな問題をつくり出すことになるかもしれないと語った。民主主義や自由を促進すると表明しておきながら、それを抑圧している政権と緊密に協力していると批判されることになるかもしれない、と。
聞き手はバーナード・ガーズマンのコンサルティング・エディター。

CFRイラク問題アップデート
イラクの主権回復への道

2004年1月号

シャロン・オッターマン www.cfr.orgのスタッフライター

ブッシュ政権は、イラクへの主権委譲に関する日程を大幅に前倒しして実施することを昨年末決定した。二〇〇四年二月に暫定憲法が導入され、五月には暫定国民会議、六月には暫定政府が組織され、主権も委譲される予定だ。主権の早期委譲を目指す新しい政治プロセスは、反占領勢力に対するゲリラ戦と国内勢力間の抗争を鎮めていくのだろうか。それとも、新たな抗争の火種をつくり出すことになるのか。以下はイラクの今後の政治プロセス、そして暫定憲法の制定、暫定国民会議の形成にますます大きな役割を果たすことになるイラク統治評議会に関するQ&A。全文(英文)はwww.cfr.orgからアクセスできる。

アメリカのパートナーシップ戦略

2004年1月号

コリン・L・パウエル 米国務長官

他国と対抗するために資源を投入するのではなく、すべての人が共有する問題の解決に向けて連帯できれば、人間の愚行から歴史を救い出すことができる。  

われわれは、人類が共有する問題であるテロリズムを、主要な国際関係の管理枠組みに組み込むことで、解決しようと試みている。大国間協調に配慮しつつ、テロとの戦いを遂行し、対テロ戦争を成功させることに配慮しつつ、大国との協調関係を強化している。われわれは、自由、人間の尊厳、平和を擁護する人々がわれわれの必然的なパートナーであるという事実を政策面での支えとしている。

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