朝鮮半島危機を安定させるには
――枠組み合意から包括合意へ
2003年3月号

平壌は核開発計画を放棄するには、まずアメリカが不可侵条約に調印すべきだといい、一方のブッシュ政権は、北朝鮮に侵攻する意図はないと表明しつつも、交渉を再開する前に、まず北朝鮮が核開発計画を断念すべきだと主張している。
ポイントは、「北朝鮮の悪事に報いることのないように配慮しつつ、平壌が切望する安全保障上の確約をいかに与えるか」だ。このジレンマを解くには、米日中ロが、朝鮮半島全体の安全と安定を共同で公式に保障すればよい。そのうえで核開発計画を放棄させ、北朝鮮の経済改革、そして、最終的には朝鮮連邦の形成を踏まえた包括合意の形成をめざすべきだ。