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北朝鮮限定攻撃論の悪夢
―― 結局は全面戦争になる

アブラハム・M・デンマーク 前米国防副次官補(東アジア担当)

The Myth of the Limited Strike on North Korea: Any U.S. Attack Would Risk a War

Abraham M. Denmark ウッドロー・ウィルソンセンター アジアプログラムディレクター。米国防副次官補(東アジア担当)を経て現職。ここで示されたのは著者の個人的見解。

2018年2月号掲載論文

取り沙汰されている「北朝鮮に対する限定攻撃」の目的は、「アメリカの軍事対応というリスクを伴わずに、核・ミサイル実験を続けることはできない」と平壌にメッセージを送ることにあるようだ。しかし、この戦略の問題は「アメリカの圧倒的な通常戦力と核戦力ゆえに、北朝鮮の最高指導者・金正恩は、攻撃されても報復攻撃を思いとどまる」と想定されていることだろう。攻撃が計画どおりに機能する可能性は低い。北朝鮮の核・ミサイル能力をうまく破壊できる保証はなく、平壌は限定的な攻撃に対しても反撃せざるを得ないと判断するかもしれない。いかなる攻撃も朝鮮半島における全面戦争へのエスカレーションを辿るリスクがあり、数百万の命が危険にさらされる。北朝鮮との戦争は、アメリカが第二次世界大戦以降に経験したいかなる紛争よりも破滅的なものになる危険がある。日韓との同盟関係も大きく揺るがされ、最終的にはアメリカの影響力も大きく形骸化する恐れがある。

  • ブラディノーズ作戦
  • 限定攻撃に北朝鮮はどう反応するか
  • 戦後でもっとも壊滅的な戦争
  • アメリカのパワーと影響力の衰退
  • なぜ戦争が必要なのか

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