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北東アジアの地政学と北朝鮮問題
―― 米朝二国間と多国間ゲームの間

マイケル・グリーン 戦略国際問題研究所  シニア・バイスプレジデント(アジア担当)

Deciphering Kim Jong Un’s Motives: The Game He’s Trying to Play

Michael Green 戦略国際問題研究所 シニア・バイスプレジデント(アジア担当)兼ジャパンチェアー。ジョージタウン大学外交大学院 アジア研究ディレクター

2018年6月号掲載論文

金正恩の真意は、「非核化に応じた場合に得られる特権」を何の譲歩をすることもなく引き出すことにあるのかもしれない。平壌が今回の首脳会談で望んでいるのは、核保有国として受け入れられること、そして、経済制裁を緩和させることだろう。結局、金正恩は非核化を口にしつつも、交渉を通じて妥協と見返りを段階的に繰り返し、再びエスカレーション策をとれるようになるまで時間稼ぎをするつもりかもしれない。さらに重要なのは、中国の立場だ。習近平は、外交交渉を通じて、北朝鮮の脅威が実質的に低下するかどうかよりも、朝鮮半島からの米軍撤退のような、アメリカの同盟関係を機能不全に追い込むような外交プロセスを開始することが好ましいと考えている。北朝鮮問題の一方で、北東アジアの今後の地政学をめぐるゲームが展開されることを忘れてはならない。

  • もう一つのチェスゲーム
  • 核保有国としての認知
  • 中国の思惑
  • 韓日露の立場

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